ホンダが、スイスのジュネーブで開催されているビジネス航空ショーの「2012ヨーロピアン ビジネス アビエーション コンベンション アンド エキシビション(EBACE2012)」において、航空機事業子会社のホンダ エアクラフト カンパニー(HACI)が小型ビジネスジェット機HondaJetの飛行試験用量産型4号機の初飛行に成功したと発表した。
量産型4号機は、米国東部時間2012年5月4日10時57分(日本時間 同日23時57分)に米国ノースカロライナ州のピードモントトライアッド国際空港を離陸し、高度1万1,500フィート(約3500m)を速度313ノット(時速約580km)で飛行。74分におよぶ飛行試験では、降着装置や高揚力装置などの機能試験、機体の基本性能や操縦安定性、データシステムや計器着陸システムの確認試験などを行ったという。
量産型HondaJetは、2010年12月20日に初号機が初飛行に成功。その後、最高巡航速度425ノット(時速約787km)、最大運用高度4万3000フィート(約1万3100m)と上昇速度毎分3990フィート(約1216m/分)をそれぞれ記録していた。さらに、構造試験では終極荷重試験を完了しており、降着システムや防氷システムの試験を実施するなど、米国連邦航空局の型式認定取得に向けて順調に開発を進めている。
日本ではあまり馴染みのないビジネスジェット。しかし、米国などの大陸では移動距離も長く、飛行機ではなく自分に合わせたフライトや機密会議などにも最適なビジネスジェットは不可欠であるという。一方、情報インフラが発展し、人の移動を必要としないための技術も普及している。実際の移動を便利にするためのビジネスジェットは、こうした環境を背にどういった発展を遂げることが出来るのであろうか。今後の動向に注目したい。