トヨタとKDDIが共同で「つながるクルマ」のグローバル通信プラットフォームを構築

2016年06月02日 19:29

Toyota_KDDI_DCM

トヨタが発表した「グローバル通信プラットフォーム」の概念図。国・地域毎に異なる通信事業者への接続と通信網の稼働監視を統合することが目標だ

 トヨタ自動車とKDDIは、“つながるクルマ”に必要な車載通信機つまり「データ・コミュニケーション・モジュール(DCM)」とクラウド間の通信における、高品質で安定した通信をグローバルに確保するために、従来のローミングサービス等に依存しない、グローバル通信プラットフォームの構築を推進すると発表した。

 トヨタは、“クルマのつながる化”を推進するため、現在は国・地域で仕様が異なっているDCMを、2019年までにグローバルで共通化する。2020年までに日本・米国市場で販売されるすべての乗用車に共通化したDCMを搭載し、その他の主要市場においても順次搭載を進めていく構えだ。

 今回、両社共同で構築するグローバル通信プラットフォームは、グローバル共通DCMを搭載した車両の位置情報から、国・地域ごとに選定した通信事業者への自動的な接続や切り替え、通信状態の監視を統合的に行なう。これにより、コネクティッドカーに必要な、高品質かつ安定した通信をグローバルで維持することができる。

 世界の通信各社はスマートフォン関連分野の成長が鈍化してきたことなどを受け、あらゆるものをインターネットでつなぐ「IoT(インターネット・オブ・シングス/モノのインターネット)」に力を注ぎ始めた。NTTドコモがコマツと組むといった事例もある。

 トヨタ&KDDI連合が開発を目論む通信の接続&切り替えは、ローミングに依存せず、DCMに内蔵されたSIMの設定情報を、通信による書き換えによって行なう。これによって選定した通信事業者へ直接接続が可能となる。ユーザーは低価格で高品質の通信を確実に利用することができるメリットがあるという。

 当プラットフォーム企画設計はトヨタとKDDIが共同で行ない、開発・運用はKDDIが担当する。また、各国における通信回線は、KDDIが持っている海外600社以上の通信事業者との関係を生かし、トヨタとKDDIが共同で選定・調達し、当通信プラットフォームに組み入れていくという。

 なお、今回構築するプラットフォームは、要請があれば他の事業者も利用可能とし、普及を拡大していく予定。

 今後もトヨタは、KDDIと協力し、安心安全なカーライフを提供すると共に、グローバル通信プラットフォームを通じ、車両から収集されるデータを活用した、製品開発やアフターサービスに取り組んでいくとしている。(編集担当:吉田恒)