石原伸晃経済財政政策担当大臣は12日の会見で、未来への投資をキーワードにした大胆な経済対策について「今回、配慮しなければいけないことはイギリスがEUを離脱するということで、その影響が新興国や日本の経済などに波及するリスクが高まっているという認識が一つポイントになるのではないか」と語った。
石原大臣は「日本の中小企業や小規模・零細企業、日本経済全体にマイナスが及ばないように、そういう事態のマイナスが波及してきたときに、それに対する対応が含まれたものでなければならない。その結果として内需を下支えする総合的かつ大胆な経済対策をつくり上げるということになる」と最大の狙いがイギリスのEU離脱による国内産業、経済に与える影響への対応とした。
また、石原大臣は「これまでの成長の果実を生かし、成長と分配の好循環をどう回していくのかということ、また、デフレの脱出速度を引き上げていくということが今度の経済対策では重要」とした。
またTPPについて「米については国家貿易制度を維持し、仮に6万数千トン入ってくるといっても、備蓄の部分で調整するので、その影響はないという話は選挙期間中もさせて頂いた」と語った。
また「山形県ではサクランボが佐藤錦から紅秀峰に変わっていたので、皆さんはアメリカンチェリーが入ってくるとき大反対したけれども、アメリカンチェリーなんか東京で買おうと思っても探さなければ売っていない、東京では売っていません。競争力のあるものは残りますという話をし、こういうもの(サクランボ)を海外にもっとうまく売っていくことを考える、それがこれからの農業ではないですかと言ったら、そういうところでは大きな拍手も頂いた」とし「TPPについては丁寧、かつ万全な措置を実施しているということで、不安を払拭する説明をしていかなければならない」とした。
しかし、交渉過程について野党が国会での審議を深めるため資料提供を求めた際、相手国との関係を理由に、出された資料の全頁が黒塗りで情報開示はほぼなかったことなどから、今後の国会でもどこまで開示されるのか。また、実際の交渉過程での担当大臣だった甘利明前TPP担当大臣が政治とカネの問題で引責辞任しているため、国会では参考人として、どこまで説明、開示するのかも今後のこととなる。(編集担当:森高龍二)