NHKの次期会長を指名する部会が先月26日、経営委員会に立ち上がり、現在、選考にむけた議論が進んでいる。こうした中、籾井勝人会長が続投になるのか、どうかも注視されるところだが、NHK全国退職者有志ら27の民間団体が「真に公共放送に相応しい会長が選ばれるよう、選考過程の抜本的改革を求める」との申入れを石原進NHK経営委員会委員長や経営委員に行っている。
申入れの項目には「籾井現会長の再任は絶対にしてはならない」と冒頭にあげている。申入れでは「NHK予算の国会承認の際、参院総務委員会の付帯決議は今年と昨年の2年続けて会長選考に関し、かつてなかった文言を加えた。『会長の選考については、今後とも手続きの透明性を一層図りつつ、公共放送の会長としてふさわしい資質・能力を備えた人物が適切に選考されるよう、選考の手続きの在り方について検討すること』という要請」だとしている。
そして、こうした要請が出ているのは「籾井会長の数々の言動を批判的に捉え、経営委員会による籾井会長の選任過程を問題視したものであることは明らか」と指摘した。「籾井会長を罷免する要求署名は8万近くに達し、籾井会長が辞任するまで受信料支払いを凍結する運動も生まれている」とし、籾井会長の再任は「絶対にしてはならない」と求めている。
また、会長選考過程に視聴者、市民の意思を広く反映させるよう、公募制や推薦制の導入を検討するよう求めている。
経営委員会に受付窓口を設け、社会的に有力な学術・文化団体、マスコミ学会、日本ペンクラブ、日弁連、労組などから会長推薦できるよう、視聴者参加の仕組み作りをし、最終的に、経営委員会が候補を絞り、任命することにすれば、現行の放送法のもとでも可能と要請している。
あわせて、会長の資格について「NHKのジャーナリズム機能などに高い見識を持ち、政治権力から自主・自立を貫ける人物」といった資格要件条項を設けるべきと要請した。NHKのニュース番組、「ニュース7」は参院選挙期間中の18日間に選挙報道したのは9日間のみだったとその異常ぶりが「放送を語る会」の調べで指摘されていた。(編集担当:森高龍二)