26日召集の臨時国会で補正予算や安保法制とともに、大きなテーマになる「TPP」について、自民党の二階俊博幹事長は25日のNHK番組で「国会で十分な議論をして頂くうえで情報開示は避けて通れない。各党納得いくような情報を開示していくよう、政府にも求めていきたい」と情報開示を政府に求める考えを示した。
一方、民進党幹事長の野田佳彦前総理は「守るべきものも守られていない」として「現行TPP案には賛成できない」と語った。
TPPの今国会承認について、安倍晋三総理は米国のオバマ大統領が今年中の議会承認に向け尽力しており、日本においても、国会承認が得られれば、TPP早期発効への弾みになると意欲を示している。
25日の討論番組で、総理時代にTPP参加への事前協議に入る決断をした民進党の野田佳彦幹事長は「総理の時に協議に入る政治決断をした。自由貿易は大事だし、アジア・太平洋地域は世界経済成長の原動力になる。そこで自由貿易をつくることは必要だ」とTPPは必要との認識を示した。
そのうえで、TPPに臨むにあたって「守るべきものは守り、攻めて勝ち取れるものは勝ち取っていくという基本姿勢で進めたが、交渉参加にはハードルが高く、決断までは出来なかった」と述べた。
野田前総理は「当時、自民党はTPP反対とポスターもいっぱい貼ってあった。でも、政権をとったら、一気に交渉参加を決められた。驚いていたら、今度は、勝ち取るものも勝ち取っていないし、守るべきものも守られていない。わたしが躊躇したものを(安倍政権、自民党は)飲み込んだのではないか」と懸念を示し「現行のTPP協定案に賛成するわけにはいかない」とした。
また「オバマ大統領は議会通過を狙うと言ったが、ライアン下院議長は駄目だと言った。なのに、なぜ、この臨時国会で(TPP承認を)急がなければならならないのか」と時間をかけ慎重な議論が必要とした。
野田前総理は「情報開示が十分でないままの通常国会での審議だった。よほど情報を開示し説得的に説明していく必要がある。拙速はだめ、強行も駄目」と強調。
一方、自民党の二階俊博幹事長は、野田前総理の発言を受け「日本はこれまで、ほとんどの大きい政治課題はアメリカが賛成と言えば、はい賛成ですという態度をとってきた。これからは、日本が主導してやっていく時代になったと判断している。TPPに対し、この国会で承認を目指したい」と語った。また情報開示について「政府にも求めていきたい」とした。(編集担当:森高龍二)