かつて自民党の幹事長も務めた生活の党の小沢一郎代表が「自民党の憲法改正草案は『日本国憲法の基本理念を根底から覆すもの』で、そもそも憲法の『改正』とは言えない」と強く否定した。
小沢代表は憲法改正に対する現況について「憲法は絶対に変えてはならないという『護憲派』も困ったものだが、安倍首相が示す改憲論は非常に危険だと思う」とし「私が自民党の憲法改正草案に反対する最大の理由は、改正案が日本国憲法の基本理念を根底から覆すものだからです」と党の機関紙(10月10日号)で表明した。
小沢代表は「本来、国民の権利を守るために存在する憲法なのに、自民党はそれとは全く異質な、新たな憲法をつくろうとしている」とし「憲法改正を国会で議論する場合、一番大切なことは個々の逐条の字面の話をするのではなく、こうした憲法に対する基本的な考え方、憲法の本質について政治の場で根本的な議論をすることだ」と強調した。
合わせて、憲法改正議論においてはメディアの役割が重要だとし、国会での議論をきちんと取り上げ、掘り下げ、国民に伝えるだろうかと、疑問を提起。「昨年の安保法制の時もそうでしたが、メディアは本来の役割を放棄して、法案の字面ばかりを追う。政府・自民党があり得ないようなケースを持ち出して法案の説明をしても、野党は反対するだけで何の対案も示さない、という論調だった」とし「憲法論議についても多分そうなっていくのではないでしょうか」と不安を示した。
そのうえで、小沢代表は「メディアが完全に政府ベッタリになっている現在、野党の考えを国民にどのように伝えていくか。これはちょっと我々も工夫しながら論議をしていかなければならないと思います」と工夫の必要を示している。(編集担当:森高龍二)