オバマ氏に礼を欠くと総理に苦言 野田幹事長

2016年11月29日 11:26

 民進党の野田佳彦幹事長(前総理)は安倍晋三総理が次期米国大統領のトランプ氏の私邸を訪ね会談する一方で、現職のオバマ大統領とはAPEC会場での数分間の立ち話で終わったとし「現職のオバマ大統領に対して礼を失していないでしょうか。あまりにもバランスを欠いていると言わざるを得ません。オバマ大統領の任期は、まだ約2か月も残っています。この間に、どんな不測の事態が発生するかわかりません。やはり、同盟国のリーダーには敬意を払い続けていなければならないのではないでしょうか」と苦言を呈した。

 野田幹事長はブログで「日本の総理が就任前の次期米国大統領と会談するのは極めて異例ですが、大統領選勝利後のトランプ氏と各国首脳に先駆けて会談したことを手放しで評価する傾向が強いように思う。私は違います」と提起した。

 野田幹事長は「国際社会が冷静に緊張感をもってトランプ氏の動向を見定めていこうとしている時、わが国の総理だけが慌てて面談をした。しかも、外務省や米国国務省が関与しない異例の形式で…。多くの人が何をそんなに焦っているのだろうと奇異に思ったのではないでしょうか」と書き込んだ。

また「会談直後、安倍総理は『信頼できる人物と確信した』とまで言ってしまいました。世界中が不安を抱いている時に『信頼』という言葉でお墨付きを与えるほど突っ込んだ議論ができたのでしょうか。私には、軽率な発言に思えてなりません。案の定、その数日後、トランプ氏は来年1月20日の大統領就任式でTPP脱退を明らかにすると表明しました。一体何を語り、なぜ信頼したのか、衆参の予算委員会を開き、総理にはしっかりと国民に説明してもらいたい」と国会での説明を強く求めている。安倍総理にTPPへの焦りがあったことだけはうかがえそうだ。(編集担当:森高龍二)