ホンダ・オデッセイ(北米仕様車)がフルモデルチェンジした。1月14日から一般公開される「2017年北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)」のプレスデーで世界初公開された。米国での発売は今春を予定する。
北米仕様のオデッセイは1994年に初代がデビューして、今回の新型が5代目となる。北米専用ミニバンとして日本仕様のオデッセイとは別の道を歩んできたモデルだ。北米の多様化するファミリーユーザーのニーズに合わせて常に進化を続け、これまでに米国内で累計約250万台を販売した実績を持つ。
先代モデルは、2010年にフルモデルチェンジして登場。以降、米国におけるミニバン販売台数で7年連続第1位を記録、高い評価を獲得してきた。
搭載するパワーユニットは可変シリンダーシステムを持つ3.5リッターV型6気筒VTECエンジン。今回の改良で最高出力が32馬力アップして280馬力を得た。組み合わせるトランスミッションはホンダ独自開発の新型10速オートマティックとなった。出力アップしたエンジンと多段ミッションの組み合わせで、オデッセイのボディをスムーズに力強く加速させる。
先進の安全運転支援システムとして、アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)や車線維持支援システム(LKAS)などを含む「Honda SENSING」をEX以上の主要グレードに標準装備とした。
また、軽量化と車体剛性を高次元でバランスさせたボディは、超高張力鋼板、アルミニウム、マグネシウムなどの複合素材を使用した。精密なハンドリングと上質な乗り心地を追求して設計したシャシー。クラス最大の荷室容量、存在感のある洗練されたエクステリアデザインなど、あらゆる面で最上級のミニバンを目指したという。
フロントヘッドライトおよびテールライトにLEDを採用し、先進感のあるシャープさを演出。空力性能にも優れた流麗なボディラインや、スライドドアのレールをウインドウ下に隠すなどの細やかな配慮により、精悍でありながらもエレガントな外観に仕上がっている。
ミニバンとしてユーティリティもさらに進化した。ミニバン最上の空間とも言えるセカンドシートは、中央のシートを取り外して、左右の座席を真横にスライドさせることができるマジックスライドを採用。2列目シートにチャイルドシートを装着した状態での3列目へのスムーズなアクセス、2列目の座席を互いに離したり近接させたり、状況に応じたシート配置が可能だ。
乗員同士のストレスフリーなコミュニケーションのために、遮音ガラスや3層のドアシールを採用するなど、徹底したノイズ低減・静粛性を追求した。また、ドライバーが後部座席の乗員にスピーカーやヘッドフォンを通して話しかけることができる「Cabin Talk(キャビントーク)」を搭載。加えて、暗い室内でもダッシュボード中央の8インチ高解像度ディスプレイオーディオに、車載の赤外線カメラで後部座席の様子を映し出して見守ることができる「Cabin Watch(キャビンウォッチ)」も採用した。
北米仕様のオデッセイは、90年代の一時期日本に輸出され「ラグレイド」という名称で販売された。が、今回の新型について、日本での販売アナウンスはない。(編集担当:吉田恒)