ルネサスが北米でEVなどの充電器との通信システム用ソリューション提供

2012年03月28日 11:00

 ルネサスが、カナダのアリアンコントロール社及びアメリカのGrid2Home社と共同で、北米におけるEV/PHV車の充電時に必要な充電器との通信システム用ソリューションを提供すると発表。最新のスマートエナジープロファイル2.0対応評価プラットフォームをいち早く提供し、家庭内通信との連携にも貢献する。

 電気自動車の普及に伴い、充電を安全に行い、電力供給を効率化/最小化するためのコントロールが重要になり、このために車両と充電器、充電器と電力供給網との間で必要なデータ通信を行うことが必要となる。更には、車両の認証、充電の課金等のためにも電力供給会社との通信が必要になるという。

 こういった状況を受けて、今回発表されたソリューションでは、世界の自動車産業で幅広く使用されている同社のV850マイコンを搭載し、自動車用途では業界で初めて、最新のスマートエナジープロファイル2.0に対応した評価プラットフォームの提供を開始。安全で効率的な充電のための通信システム構築に貢献するという。さらに、家庭内通信とのスマートエナジープロファイルに準拠した通信が可能なため、自動車に充電したエネルギーを家庭での電力消費が大きい特定の期間に利用するなどの補完的な使用も可能となり、家庭全体での電力供給の安定化、効率化にも貢献するという。

 EV/PHV車の需要拡大が確実視される中、インフラ整備の未発達などがその普及にとって大きな障害となっている。富士経済によると、EVの2012年予想販売台数は7万台、PHVの2012年予想販売台数は5万台であるの対し、2030年にはEVが1374万台、PHVが1034万台と、それぞれ2012年比で196.3倍、206.8倍となっている。この数字を実現する為には、インフラ整備の急速な充実が欠かせないであろう。EV/PHV車の車体に対する技術は先進的なものを持つ日本であるだけに、日本国内でも早くに整備が進み、こういったソリューションを世界に発信できるポジションに立つことが、日本経済復興の為にも望まれるのではないだろうか。