日本経済団体連合会の榊原定征会長は26日までの会見で「米国ドナルド・トランプ新政権の政策やキーパーソンが明らかになる秋頃にミッションを米国に派遣し、連邦政府や州政府の要人、米国経済界との意見交換を行いたい」意向を語った。
このため榊原会長は経団連として2年連続し訪米ミッションを派遣するなど、これまでに構築した人脈などを活用し「トランプ政権のキーパーソンとのコンタクトを引き続き模索していく」とした。
経団連は2015年には当時インディアナ州知事のペンス副大統領と懇談するなど人脈を築いている。
榊原会長は「保護主義的な動きに対しては、日本の経済界としても、米国に対して、自由で開かれた貿易通商体制の推進を働きかけていく必要がある」とし「日本企業が米国社会に溶け込み、相互依存的な関係を築き、経済発展に大きな貢献をしていることをきちんと理解してもらうことは大切」とした。
榊原会長は「経済界としてTPPを諦めるということはなく、日本政府とも連携してさまざまな働きかけを行い、トランプ大統領の翻意を促していきたい。トランプ大統領からはNAFTA見直しの方針も示されたが、メキシコには多くの日本企業が進出し巨額の投資を行い、カナダを含めた北米でバリューチェーンを構築している。今すぐ雇用や賃金など日本経済へ直接的な影響を及ぼすことはないだろうが、見直しの方向性によっては、日本企業に大きな影響を及ぼしかねず、戦略の変更も起こりうる。WTOとの関係など課題も多く、米国、カナダ、メキシコの加盟国間での交渉を注意深く見守っていく」とした。(編集担当:森高龍二)