社会民主党の又市征治幹事長は17日、関西電力が福井県にある高浜原発4号機を再稼働させたことに関西電力、政府、原子力規制委員会に対し「高浜原発3号機・4号機は制御が難しく安全性の余裕度を減らすものとの指摘があるMOX燃料を使用するプルサーマル発電である。また、活断層などによる地震の対策や津波対策も不十分で、実効性ある多重防護体制もなく、使用済み核燃料の対策なども未整備のまま。また50キロ圏内には近畿地方1400万人の水がめである琵琶湖も存在する。いったん事故が起きれば、関西全域に甚大な被害を及ぼすことは必至」として抗議の談話を発表した。
又市幹事長は「東日本大震災から丸6年を迎えたが、東京電力福島第一原発事故は収束せず、原因究明もなされていない。この間、電力需要ピークも原発なしで乗り切り、その後も安定的な電力供給が続き、『電力不足は発生していない』。到底、高浜原発の再稼働を容認できる環境にはない」と指摘するとともに「関西電力は4号機の稼働を停止するとともに、今後予定されている3号機の再稼働を断念すべきである」と求めている。
高浜原発3号機、4号機については大津地裁が住民の懸念を受け止めて「運転差し止めを命じる決定を行った」。しかし、本年3月に大阪高裁がこれを取り消し、再稼働を認めた。関西電力はこれを受け、再稼働の準備を進め、17日夕、4号機を再稼働させた。施設周辺では原発再稼働に反対する人らが「原発を動かすな」と抗議した。(編集担当:森高龍二)