8日開かれた衆院予算委員会の質疑で、原子力規制委員会は原発を狙ったテロ対策防止への警察による警戒や民間飛行機が原発にぶつかるような場合を想定した対応について原発事業者に求めている一方、ミサイルが撃ち込まれた場合の想定はなく、原発事業者が自主的に原子炉を停止する以外に対応策がとられていないお寒い状況であることが浮き彫りになった。
民進党の長妻昭議員が「原発へのミサイル着弾とか、テロは取り返しがつかない大きな事態になる。地下鉄を停めるのであれば、原発をとめろという声もある。ミサイルの脅威が高まっているおりから、原発再稼働に(ミサイル着弾なども想定した)厳しい条件をつけるなどの検討はしないのか」と質した。
田中俊一原子力規制委員会委員長は「突発的に武力攻撃が発生したような場合には国民保護法に関する基本方針において、運転停止命令を待たずに、自らの判断で原子炉を停止するものと認識している」と答えるにとどまった。
田中委員長は「原子力規制法は他国からの弾道ミサイルによる攻撃などは国家間の武力紛争により行われるものであり、原子力規制法によって対応することは想定していない」と答えた。
田中委員長は「原発に対する外部からの攻撃に対し、テロその他の犯罪行為も想定した必要な規制を行うこととしている。具体的にはテロリストの侵入防止対策のほか、大型旅客機が意図的に原発に衝突することも想定した対応を求めている」と答えた。
これに長妻議員は「原発再稼働の条件をミサイルの脅威も入れたものにすべき」と安全策への強化を求めた。(編集担当:森高龍二)