民進党の蓮舫代表は20日、学校法人加計学園(岡山市)が運営する大学への獣医学部新設を巡る疑惑について記者団の質問に答え「予算委員会での集中審議を求めていく」としたうえで、『官邸の最高レベルが言っていること』などの文書について、松野博一文部科学大臣が文科省としての調査結果で「文書の存在を確認できなかった」としていることに「文科省はなかったとは言っていないので、調査内容をしっかり示してもらいたい。菅義偉官房長官にも予算委員会でしっかり問い質したい」との考えを示した。
問題の文書は「平成28年9月26日18時30分から18時55分までの間、内閣府審議官と参事官、文科省の課長と課長補佐の4人が学校法人加計学園の大学への獣医学部新設にかかる打ち合わせを行った内部文書」とされるものなどで、参加者の氏名、日時、打合せ概要(獣医学部新設)まで明記され、『取扱注意』と『米印』とともに記されている。
加計学園は愛媛県今治市に獣医学部を開設することを国家戦略特区諮問会議で今年1月20日に認定されたが、問題の文書が本物なら、4か月前に加計学園の大学に獣医学部を新設することを前提とした話が総理府主導で進んでいたことになる。安倍総理が「(加計学園の獣医学部新設に関し)働き掛けていない」とした国会答弁との整合性がなくなる。
松野文部科学大臣は19日、関係者へのヒアリングや共有ファイルなどの中に問題の文書を確認することはできなかったとしたが、個人のパソコンやノートについて調べていない。加計学園理事長が総理の友人だけに便宜が図られたのではないかと、政治に対する不信を招く疑惑が生じているだけに、そうした疑惑払拭のためにも解明が求められている。(編集担当:森高龍二)