文書は『本物』、当時の事務次官を参考人招致へ

2017年05月24日 19:45

 文藝春秋が運営するニュースサイト、文春オンラインで、週刊文春は学校法人加計(かけ)学園(岡山市)の特区での獣医学部新設を巡り「総理のご意向」「これは官邸の最高レベルが言っていること」などと記された文書が『本物』であると、当時、文部科学省の事務次官だった前川喜平氏が認めたと24日夕に報じた。

 それによると、前川氏は「いずれも部下から受け取ったレク(説明用)資料です。これらの文書は、大臣や次官への説明用として担当の高等教育局専門教育課が作成したものです」と説明したとしている。5月25日発売の「週刊文春」(6月1日号)で詳報される。

 民進党の安住淳代表代行は24日の記者会見で「当時の事務次官として前川さんが話をしている以上、参院文教科学委員会に来てもらい、お話をしていただいた方がいい。菅義偉官房長官は『怪文書』だと断定しており、当時の当時者が『本当だ』と言っているということと食い違う。まずは参院文科委員会で参考人招致を求めていきたい」と問題の文書が本物かどうかを国会の場でも明確にすることの必要を示した。

 また榛葉賀津也参院国会対策委員長も同日午後の記者会見で「本人(前川氏)を呼べば本当に怪文書の類なのかどうか分かることなので、明日25日の文部科学委員会で前川前事務次官の参考人招致を要求する」とし「与党も事実を究明する機会だ」と参考人招致に賛成するよう求めた。

 問題の文書の一つは「平成28年9月26日18時30分から18時55分までの間、内閣府審議官と参事官、文科省の課長と課長補佐の4人が学校法人加計(かけ)学園(岡山市)の大学への獣医学部新設にかかる打ち合わせを行った内部文書」とされる。

 参加者の氏名、日時、打合せ概要(獣医学部新設)まで明記され、『取扱注意』と『米印』とともに記されている。

 文書概要では「平成30年4月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい。これは『官邸の最高レベルが言っていること』(むしろもっと激しいことを言っている)」とある。

 加計学園は愛媛県今治市に獣医学部を開設することを安倍総理が議長を務める国家戦略特区諮問会議で今年1月20日に認定された。この文書が本物であれば、その4か月前に、加計学園の大学に獣医学部を新設することを前提として、総理府主導で話が進んでいたことになり、安倍総理が「(獣医学部新設に関し)働き掛けていない」とした国会答弁と整合性がとれないことになる。(編集担当:森高龍二)