民進党の加計学園疑惑調査チームは24日、学校法人加計(かけ)学園(岡山市)の特区での獣医学部新設を巡り「総理のご意向」「これは官邸の最高レベルが言っていること」などと記され、文科省内で作成されたとみられる文書の真偽について元自民党衆院議員(元農林水産副大臣)で獣医師の北村直人氏(日本獣医師会顧問)から話を聞いた。桜井充チーム座長は記者団に、北村氏が文書に関し「ほぼ正確なもの」と本物の可能性が高いとの認識を示したことなどを語った。
桜井座長は北村氏の話の概要として「獣医師会としては、最悪仕方がないので1校に限ることにしてくださいとお願いしたが、基本的には獣医学部の新設には反対だ。苦渋の決断でやったのであって、獣医師会の要望があったから1校新設になったというのはまったく違う」としたこと。
また「地域の偏在について、どこの地域が少ないという問題ではなく、全国的に見るべきで、四国各4県から2桁の人が16大学(の獣医学部)に入っている。問題はその方々が地元に戻っていかないこと。こういうことの整備をきちっとしていくべきではないか」と提起したこと。
「新しい大学ができたからといって感染症に対して何か手だてができるということはなく、国レベルでやらなくてはいけない。その論拠は宮崎で口蹄疫が起こったとき、宮崎大学に獣医学部があっても、結局は対応できなかった。加計学園の獣医学部新設について新しいことがいろいろ書かれているが、絵に描いた餅にすぎない」旨を指摘したとしている。
文書については当時、文部科学省の事務次官だった前川喜平氏が週刊文春のインタビューに答え『本物』と認めたと25日発売の6月1日号で伝えており、民進党などは参院文部科学委員会で前川氏の参考人招致を求めることにしている。これを与党側が拒否すれば、安倍内閣に対する国民の不信感を広げることになる。(編集担当:森高龍二)