国会同意人事 急がれる新ルール

2013年02月13日 16:43

 国会同意人事で公正取引委員会委員長の政府提案人事(個人名)が事前に報道された件について、民主党の高木義明国対委員長は13日、なぜ漏れたのか原因について調査報告を求めているとし、再発防止策を聞いたうえで、新しいルールを政権交代後の新たな会派構成のなかで議論していくよう提案する意向を語った。

 この問題は公正取引委員会の委員長について一部のマスコミが「公取委員長に杉本氏」と報道。世耕弘成官房副長官は「朝から朝刊を開いてびっくりした」と翌日の国会に提示する予定だっただけに「なぜ、スクープされたのか、よく分からない」と驚きを隠せないようだった。

 国会同意人事については2007年に衆参議院運営委員長の合意で「事前報道があった場合、人事の提示自体を認めない」とする西岡ルールができた。これは人事案を意図的に報道機関に漏らして既成事実化し野党の反対を押し切ろうとする道具にマスコミを利用するなどして、国会が内閣の追認機関にならないようにしようという意味あいから生まれた。現在もこのルールが生きていることから、民主党の輿石東参院議員会長は公取委員長同意人事案は受けられないと早々に態度表明し、党内でも困惑の声があがった。

 杉本氏については民主党時代に人選されていたものの、国会同意案件に至らなかった。このため、自民党の鴨下一郎国対委員長も「一番能力があり、適切な人事の場合は提示事態を認めないとするのではなく対応すべき。特に、政府が情報をリークしたわけでないし、民主党政権下で人選が決まっていたのを、われわれが踏襲して承認して頂きたいという話をしている」と、まさにルールが国益を損なうような話になってしまっていることを指摘した。

 同意人事案件については各委員会で事前審査ができるようにすればいいのではなど、新たなルールづくりへの意見は与野党から出てきている。今回のような弊害が生じないルールを早急につくる必要がある。(編集担当:森高龍二)