西岡ルールで国益に反する部分も 国会同意案件

2013年02月10日 15:54

 国会の同意人事案件について「事前報道があった場合に人事の提示事態を認めない」とする2007年の衆参議院運営委員長合意(西岡ルール)の見直しが与野党間で進められているが、新ルールが定まるまでは現行のルールが生きているとして、今回、公正取引委員長人事について事前報道のあったことを受け、民主党の輿石東参院議員会長が提示は受けられないとしたことについて、自民党の鴨下一郎国会対策委員長は10日のNHK番組で「事前報道されたら全てダメとされたら、国益に反する部分も出てくる」とけん制。公取委員長の人事についての扱いに苦言を呈した。

 鴨下国対委員長は「一番能力があり、適切な人事の場合は提示事態を認めないとするのではなく対応すべき」との考えを示した。特に、今回の場合「政府が情報をリークしたわけではない。民主党政権時に人選が決まっていたのを、われわれが踏襲して、承認をして頂きたいという話をしている」とし「委員長の名前を知っている人は沢山いる。そういう中での議論なので、もっと冷静に進めるべき」と理解と協力を求めた。

 日本維新の会の小沢鋭仁国対委員長は「これだけ情報化が進んでいるなかで、事前に漏れたら云々という話はおかしい」とルール見直しの必要をあげたうえで「私たちは人選が適材適所か、実質的な議論をしたいと思っている」とし「そのため、同意人事については各委員会で事前審査をやらせてほしいと議運に提案している」とした。

 みんなの党の水野賢一国対委員長は「西岡ルールを金科玉条とする必要はない。こんなルールは見直せばいいし、同意人事の見直しでは、他にも見直すべきところが沢山ある」と指摘。「国会同意人事は200以上あるが、所信聴取するという対象者は10人前後で、ほとんどは国会に名前と経歴だけ提示して、マルかバツか判断してくださいというものになっている。ちゃんと質疑をするというパッケージで包括的に見直しをしていく必要がある」と見直しについての考えを示した。(編集担当:森高龍二)