AMG GT R専用に新開発したAMG4.0リッターV8直噴ツインターボエンジンは、徹底した軽量化やドライサンプ潤滑システムによる低重心化が図られた。2基のターボチャージャーは、V8エンジンのVバンク内側に配置する「ホットインサイドV」レイアウトとし、コンパクト化と吸排気経路の最適化したメルセデスAMGテクノロジーが詰まったエンジンだ。
シャシーはアルミニウムを中心とする軽量素材を適材適所に配置することで、軽量でありながら非常に高い強度を実現したアルミニウムスペースフレームを採用。さらにフロントミッドシップエンジンとトランスアクスルレイアウトにより、理想的な48:52の前後重量配分を実現した。
エクステリアは、1952年の伝説的レース、カレラ・パナメリカーナ・メヒコで優勝した300 SLレーシングを彷彿させる。「AMGパナメリカーナグリル」や強力なダウンフォースを生み出す「アジャスタブルリアスポイラー」などの専用装備を備え、空力特性を強化しつつ、最適なグリップを確保している。
また、タイヤは「ミシュラン・パイロットスポーツカップ2」を標準装備し、最大限のドライビングパフォーマンスを発揮できる仕様となった。さらに、メルセデスAMG初となる4輪操舵システム「AMGリア・アクスルステアリング」や9段階の調整が可能なAMGトラクションコントロールなどサーキットを速く走るための専用装備を備えている。
「メルセデスAMG GT R」は、“Handcrafted by Racers.”をスローガンに掲げ、何よりもスポーツカーを愛する人のために、モータースポーツを心から愛する者たちが創り上げたメルセデスAMG完全自社開発スポーツカー「メルセデスAMG GT」をベースとする。
ドイツツーリングカー選手権(DTM)やスーパーGTなど世界で戦うカスタマースポーツレーシングカー「メルセデスAMG GT3」で培った技術をあますことなく注ぎ込んだ公道走行可能なレーシングモデルである。一方で、メルセデスの安全運転支援システムのひとつである「ディスタンスパイロット・ディストロニック」を標準装備し、レーシングモデルでありながら高い安全性も実現している。価格は2300万円。(編集担当:吉田恒)