映画『軍艦島』史実反映した記録映画の類でない

2017年07月29日 08:06

 日本の植民地時代に端島炭鉱(長崎市)に強制徴用された朝鮮人が命がけで島を脱出しようとする姿を描いた韓国・リュ・スンワン監督による映画「軍艦島」が26日、韓国で封切りされ、公開初日に聯合ニュースによると「97万人以上の観客動員があり、これまでの記録を更新した」という。

 この映画について、外務省の丸山則夫外務報道官は27日までの会見で、記者団の質問に「映画の『軍艦島』は監督自身『創作された話』と述べておられる。史実を反映した記録映画の類ではないと承知している」と述べたうえで、史実を反映した記録映画の類でないことから「政府として映画の内容の一つ一つにコメントしない」とした。

 一方で「日韓双方が未来志向の関係を発展させようと努力している中で、努力に水をさすことになりかねないことを懸念している』とも語り「未来志向の方向で日韓関係が発展していくことを望んでいる」と強調した。

 記者団が、この映画に抗議はしていないという理解で良いかと聞かれ「映画の内容の一つ一つについて我々は、コメントはしない。コメントを発言することはしないということ」と述べた。

 丸山報道官は「日韓両国は隣国であるがゆえに難しい問題があるのも事実だが、難しい問題を全体の日韓関係に悪影響を及ぼさないよう適切にマネージする。そのことが日韓両国共通の利益であると考えている」と述べた。

 聯合ニュースは強制徴用について27日「三菱が運営した端島炭坑の労働者の大半は強制徴用された朝鮮人または中国人だった。公式の記録によると1939~1945年に約800人の朝鮮人が軍艦島に連行され、134人が亡くなった」と伝えたほか「当時、5万8000人余りの朝鮮人が日本の炭坑や製鉄所、造船所などに強制徴用されたとの記録が残っている。中でも軍艦島は四方が海に囲まれているため『監獄島』または『地獄島』とも呼ばれた。脱出を試みた人もいたが陸地にたどり着く前に溺死するか、つかまったという」と伝聞報道している。(編集担当:森高龍二)