日韓首脳によるシャトル外交再開へ

2017年07月10日 06:09

 安倍晋三総理は韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と7日、G20首脳会議を活用し、初の首脳会談を行った。会談では両国首脳が相互に相手国を訪問する「シャトル外交」を再開することを決めた。

 外務省によると会談は約35分間にわたり行われ、安倍総理から(1)文大統領と共に未来志向の新たな日韓関係を構築していきたい(2)文大統領と緊密に意思疎通を行い、政治・安保、経済、文化などあらゆる分野で交流や協力を発展させていきたい(3)地域の平和と安定のため、北朝鮮問題に関する連携も更に強化したい旨を述べたとしている。

 また安倍総理から日韓両国は隣国であるがゆえに難しい問題があるのも事実だが、こうした難しい問題が全体の日韓関係に悪影響を及ぼさないよう適切にマネージすることが日韓両国共通の利益、とし、日韓合意は未来志向の日韓関係を築いていくための欠くべからざる基盤である旨を述べたとしている。

韓国・聯合ニュースも「両首脳は相互に相手国を訪問する「シャトル外交」を再開させることなどを決めた」と報じた。この中で「青瓦台(韓国大統領府)によると、文大統領は会談で両国が親しくなるのを妨げるものがあると述べ、慰安婦問題を巡る2015年12月の韓日合意について『わが国民の多数が情緒的に受け入れられずにいる現実を認め、韓日両国が共同で努力し賢く解決していきたい』と語りかけた。その上で『この問題が両国のほかの関係発展の障害になってはならない』との考えを示した」としている。

また「文大統領は『両国は基本的価値と戦略的利益を共有するだけでなく、地理的・文化的に最も近い友人』とし、『歴史の傷をうまく管理し、未来指向で成熟した協力パートナー関係構築のために共に協力することを望む』と呼びかけた」と報じた。(編集担当:森高龍二)