田辺三菱製薬が約1200億円でイスラエルの製薬企業を買収

2017年08月01日 07:32

画・田辺三菱製薬か_約1200億円て_イスラエルの製薬企業を買収

田辺三菱製薬が2019年に上市が見込まれるパーキンソン病治療薬「ND0612」を中心に研究開発を行うイスラエルの製薬企業ニューロダーム社を約1,200億円で買収すると発表

 三菱ケミカルHD<4188>傘下の田辺三菱製薬<4508>がイスラエルの製薬企業ニューロダーム社を約1,200億円で買収を行うと発表した。

 ニューロダーム社はイスラエルに本社を置くナスダック上場の製薬企業である。パーキンソン病の治療薬に対して新たな製剤研究や、医薬品と医薬器具とを組み合わせる優れた技術開発力を有している。米国及び欧州でフェーズ3に移行し、2019年に上市が見込まれるパーキンソン病治療薬「ND0612」を中心に研究開発が行われており、他にも2つの開発パイプラインを有している。

 パーキンソン病は日本に比べると欧米での発症率が高いため、患者も欧米が中心となっている。がん領域の薬と比べると販売の絶対額は劣るものの、欧米中心に着実なニーズのある分野と言える。

 田辺三菱製薬は中期経営計画において、世界最大の医薬品市場である米国を中心に成長する計画を定めている。その第一歩として2017年8月より筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬ラジカヴァの米国での販売開始を予定している。そして今回のニューロダーム社の買収により、同社は米国市場において着実な事業拡大の足掛かりを得ることとなる。尚、ラジカヴァの販売に加え、今後ニューロダーム社が保有の「ND0612」の販売開始にまで至れば、同社が中期経営計画で掲げている2020年までの米国売上収益800億円の達成が可能となる。

 製薬企業としては海外や国内大手と比べると田辺三菱製薬の企業規模は見劣りする中、がん領域と言った競争の激しい分野ではなく、ALS治療薬やパーキンソン病治療薬と言った、大幅な売上増は困難でも着実にニーズがある分野で、同社は米国での事業拡大を計画している。

 買収企業が有する新薬候補の物質が、予定通りの効果を上げられず商品化を断念するケースも発生しているが、世界最大の医薬品市場の米国市場において、田辺三菱製薬の戦略が計画通りに進捗するのか、今後注目を浴びることになりそうだ。(編集担当:久保田雄城)