村田製作所<6981>がICタグを含むRFIDシステムインテグレーターでありイタリアのベンチャー企業であるID-Solutions社の買収を発表した。
ID-Solutions社はイタリア・パルマ大学発のベンチャー企業として2004年に設立。RFIDシステムを食品、日用品、ファッション、ヘルスケア等の企業に導入している。同社のシステムにより、対象物の自動認識システム、無線を利用したデータ自動取得システム、対象物のリアルタイム追跡システムの導入が可能となる。
村田製作所はこれまでRFIDのハードウェアを提供していた。今回の買収により同社はRFIDのソフト及びソリューションノウハウを手にすることとなる。同社は今後、RFID分野でユーザーに対し、RFID導入のためのソフトウェアそしてソリューション提案からハードの導入まで、ICタグやRFID領域において一気通貫のビジネスモデルの提供が可能となる。
ICタグ及びRFIDは技術的には既に実用化は出来ているが、ICチップのコストの問題等があり、本格的な普及には至っていない。しかしながら人手不足及び人件費増加を背景に、コンビニ業界においてICタグ導入による店舗運営自動化の機運が高まりつつある。実際に経済産業省とコンビニ各社は2025年までに全ての取扱商品に電子タグを利用することについて合意し、各社と共同で「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」を策定している。
全てのモノがインターネットに繋がると言われるIoT時代において、ICタグ及びRFIDは、物販を行う会社にとっては必要不可欠なシステムとなる。今回の買収で既にソフトウェアを始めRFIDサービスを提供中のID-Solutions社を買収する村田製作所は、ICタグ及びRFID分野においてソフトからハードまで自社で保有する企業となり、同分野においてユーザーに対しICタグ及びRFIDを一貫したパッケージで提供できる企業となる。普及が予想されるICタグ、RFIDサービスにおいて、村田製作所は欠かすことのできない企業となることが予想されるため、今後の村田製作所の成長にも期待したい。(編集担当:久保田雄城)