東芝がインドで超臨界石炭火力発電所向け蒸気タービン発電設備受注

2012年02月24日 11:00

 東芝のインド現地法人である「東芝ジェイエスダブリュータービン・発電機社」(東芝JSW社)が、インド火力発電公社(NTPC)から、カルナタカ州クドゥギの超臨界石炭火力発電所向け蒸気タービン発電設備を受注した。出力80万キロワットの超臨界圧方式の蒸気タービン発電機設備3プラント分で、エンジニアリング・製造・調達・据付工事全般を担当、受注金額は約470百万ドルだという。

 インドにおける火力発電事業の拠点展開を積極的に進めている東芝は、エンジニアリングを行う「東芝インド社」、据付工事を行う「TPSCインド社」に加え、2月12日には蒸気タービン・発電機を製造する「東芝JSW社」を設立。設計・製造・据付までの一貫体制を構築している。一方インドでは、高い経済成長率を背景に、電力需要が堅調に増加。インド政府発表によると、2007~2017年の10年間での発電設備容量の増加分は年平均1600万キロワット以上で、そのうち火力発電は60%以上を占める計画だという。このような背景での今回の受注は、東芝機器の高い性能・信頼性に加え、インドでの一貫体制が評価されたもので、東芝JSW社としての初受注となる。

 東芝グループはこれまでにも、タタ電力ムンドラ火力発電所向けに80万キロワット5基、エッサール電力サラヤ火力発電所向けに66万キロワット2基といったインドでの受注実績がある。今回の受注により、現時点においてインドの電力市場で最大単機容量である80万キロワットクラスの超臨界タービン発電機市場では、トップシェアとなるという。

 中東市場やアジア市場などの経済発展に伴う電力需要の拡大だけでなく、先進各国における原発に対する風当たりから、今後さらに火力発電所の需要は伸長していくと見込まれている。世界中が注目する新興市場での実績は、世界にその技術力を宣伝する好材料となるだろう。新興市場での動向が、東芝、強いては日本企業が、今後世界規模でのシェアを高めることが出来るのかの分水嶺と言えるかもしれない。