安倍晋三総理は31日、都内で開かれた日英ビジネス・フォーラムであいさつし「日本企業にとって英国は欧州における製造、販売、研究開発等のための重要な拠点であり、現在、英国には約1000の日本企業の拠点があり、16万人以上の雇用を生み出している」とかかわりの深さを強調したうえで、英国がEUを成功裏に離脱することが「世界経済に非常に重要」と語った。
安倍総理はフォーラムで「英国における日本企業の活動は先端技術によるイノベーションの創出、技術移転による国内スキルベースの向上、生産性及び輸出力の強化、地方経済の活性化等により、英国経済に広く貢献し、英国の社会を支える様々なシステムを提供している。製造業では英国の年間の自動車生産台数約170万台のうち、日系3社のシェアが約50%を占めている」とアピールした。
そのうえで安倍総理は「EUからの離脱に向けて、英国は今、大きな変化の中にある。英国のEU離脱が円滑かつ成功裏に実現することは英国、欧州、国際社会及び世界経済にとって非常に重要」と訴えた。
また「私はEU離脱後の英国経済を引き続き信頼している。幾つもの日本企業がEU離脱決定後も英国への新規投資を行っていることが英国への期待感を示していると思う」と述べ、EU離脱が円滑に行われるよう要請した。
安倍総理は「EU離脱交渉において、企業への影響を最小化するよう透明性及び予見可能性に配慮するとのコミットメントを英国から頂いており、高く評価している」とも語り、表現をかえながら、そのように履行されるよう要望したものとみられる。(編集担当:森高龍二)