政府は28年度一般会計補正予算(2号)を24日、閣議決定した。補正額3兆2869億円で、財源のうち全体の83.67%にあたる2兆7500億円を建設国債で賄っている。
また前年度余剰金から2525億円を、公共事業費負担金収入で1061億円、NTT株に尾の売却収入から1244億円、中小小売・流通など合理化促進基金返納金などから539億円をねん出した。
歳出項目では国債費を4175億円減らす、熊本地震復旧などの予備費を4100億円減らす一方、一億総活躍社会の実現の加速に7119億円の予算。21世紀型インフラに1兆4056億円。大震災からの復興・安全・安心・防災対応などに1兆4389億円。英国のEU離脱など不安定性へのリスク対応、中小企業・小規模事業者、地方への支援などに4307億円などを計上した。
菅義偉官房長官は一般会計補正予算の閣議決定後の記者会見で、記者団から、補正の財源の大半が建設国債で、財政健全化の観点から懸念の声もあるがとの問いに「赤字国債は発行しないことにしており、前年度余剰金や建設国債で賄っており、全く問題ないと考えている」とかわした。
野党・民進党の枝野幸男幹事長は23日の会見時に「国債の発行は国民の後世代へのツケになる。アベノミクスの成果による増収を誇っていた、その成果はどこに行ってしまったのか。正式に決定後、あらためて詳細を精査し、党の考え方を示していきたい」と話していたが、8割以上が建設国債に頼る内容だけに、財源でも国会で議論になりそう。(編集担当:森高龍二)