トヨタ、車載器とクラウドが連携して迅速なルート検索する新型「Hybrid NAVI」発表

2017年09月18日 08:16

Toyota_Hybrid_NAVI

トヨタが発表したハイブリッド方式のNAVI概念。大きく使い勝手を向上させた音声認識機能も

 トヨタ自動車は、DCM(車載通信機器/Data Communication Module)の標準設定を柱とする「コネクティッド戦略」の一環として、クラウドと車載機を融合したハイブリッド方式の「ナビゲーション機能」「音声認識機能」を開発した。トヨタ車ユーザーに新たな価値を提供するアイテムとして、今後国内で発売する新型車のナビシステムとして順次展開すると発表した。

 世界初の「ハイブリッドナビ」機能は、連携するトヨタ車の「DCM搭載ナビ」から収集した車両プローブ情報と、外部情報を組み合わせたデータベースを用いて、ルート探索、および施設検索処理をクラウドにて行ない、車載機に配信する。また、通信圏外や、リルートなど速い応答性が要求される場合には、自動的に車載機での処理に切り替えて対応する。

 また、クラウドによるルート探索では、各道路に対する通過時間のヒストグラム(確率分布)を蓄積した所要時間データベースに加え、より早く到着するルートとより正確な到着予想時刻を案内するために、所要時間の平均値だけでなくばらつきも考慮してルート探索を実行する。

 また、ルート検索した区間が同一であっても、その進入方向や退出方向(直進・右左折)によって所要時間に差異が発生するため、区間当たりの所要時間に進入・退出を組み合わせた複数の時間データを併せて計算することで、ルート移動の所要時間をより正確に算出することができるという。

 さらに、クラウドで処理を行うことによって、ユーザーが車両を購入した後であってもルート種別を増やすことができる「拡張ルート」機能を、世界で初めて実現した。いわゆるルート検索の「アップデート」が可能としたわけで、新しいルート種別はセンターからダウンロードすることで追加可能だ。その第1弾として、トヨタでは「関東ETC2.0料金割引優先ルート」を配信・提供する予定だ。

 「ハイブリッド音声認識」機能では、クラウドによる音声認識の「自然な発話が認識できる」「店舗名称等の多量な施設名称の認識ができる」という利点、車載機による音声認識の「応答性が速い」という双方の利点を活かし、発話内容、状況に応じて、クラウドと車載機の機能を自動で使いわけることでマルチメディアシステムの快適な音声操作を可能とした。

 今回開発したハイブリッド音声認識機能は、使いたい機能を意識することなく、音声認識システムを起動し、「駐車場のある蕎麦屋を探す」など、自然な発話で各操作を可能としているのが大きな特徴だ。(編集担当:吉田恒)