トヨタ、全国紙で全面広告を展開した本気のスポーツカーブランド「GR」

2017年09月23日 11:09

Toyota_GR

スバル「STI」や日産「NISMO」に負けないトヨタの新スポーツカーブランド「GR」、7車種でスタート。上段左から、ハリアー GR SPORT、ヴィッツ GR SPORT、ヴィッツ GR。下段左から、ノア GR SPORT、ヴォクシー GR SPORT、マークX GR SPORT、プリウスPHV GR SPORT

 トヨタ自動車は、スポーツカーシリーズとして、新ブランドとして「GR」を市場投入・展開すると発表した。

 これまでスポーツコンバージョン車シリーズ通称「G’s」としてカスタマイズ・スポーツ・シリーズを提案してきたが、今後は「GR」シリーズに一新して車両ラインアップや機能&ドレスアップ・パーツなどの新アイテムを充実させる。

 「GR」は、WRC(世界ラリー選手権)やWEC(世界耐久選手権)などに参戦しているトヨタのモータースポーツチーム運営会社GAZOO Racing Companyが、モータースポーツ活動を通じてクルマと人を鍛え、そこで得た知見やノウハウを注ぎ開発した新しいスポーツカーシリーズだ。

 モデル体系としては、エンジン内部にもチューニングを施した数量限定販売の「GRMN」を頂点に、GRMNの要素を注ぎ込んだ量販スポーツモデルの「GR」、気軽にスポーツドライブを楽しめるようミニバンなどにも設定する軽チューンモデル「GR SPORT」の3ステージのスポーツモデルとなる予定だ。また、カスタマイズを楽しめるアフターパーツ「GR PARTS」も設定。走りの機能を追求するパーツとして機能系アイテムも導入・展開する計画だ。

 今回、「GR」シリーズの第1弾として、ヴィッツに「GR」と「GR SPORT」を、プリウスPHV、ハリアー、マークX、ヴォクシー、ノア「GR SPORT」など7モデルを設定し発売した。

 また、今後ヴィッツ「GRMN」、86「GR」、アクアとプリウスα「GR SPORT」を追加し、この冬から順次発売する予定。

 さらに、「GR」シリーズの投入に合わせ、スポーツカーやモータースポーツを軸に、クルマの楽しさをアピールすることを狙いとした地域拠点「GR Garage(ジー・アール・ガレージ)を順次、立ち上げる。「GRコンサルタント」と呼ばれる専任スタッフを配置し、2017年度中に全国で「GRガレージ」39店舗をオープンさせる計画だ。

 こうしたスポーツカーブランドの積極展開はトヨタだけではない。日産は、今春「高性能スポーツブランドである『NISMOロードカー』事業を拡大すると発表した。また、この戦略の基盤となる「NISMOロードカー」の車種ラインアップ拡大を図るために「NISMOロードカー」の企画・開発機能を、日産グループの特装車両を手がけるオーテックジャパン内に設立した。現在、NISMOブランドは、GT-Rなど5車種の展開だが、早急に20車種以上に拡大させるとした。

 スバルでも1990年代から、モータースポーツ運営子会社「スバル・テクニカ・インターナショナル(STI)」ブランドで特別限定車を中止にスポーツモデルを展開している。

 ホンダもF1が絶好調だった1980年代の後半からMUGENブランドを展開。カスタマイズ&機能パーツを供給している。

 今回のトヨタ「GR」市場投入・展開への本気度は相当なもののようで、豊田章男トヨタ社長が自ら発表会で登壇して解説。そして発表の翌日には、読売新聞など全国紙朝刊で、かつての名車「トヨタS800」をフィーチャーした「GR」の堂々たる全面広告を展開した。トヨタ「GR」、果たしてメルセデスの「AMG」やBMWの「Mスポーツ」などのようなホンモノのスポーツカー・ブランドに育つか。(編集担当:吉田恒)