日本ミシュランタイヤは28日、厳選したレストランとホテルを紹介する「ミシュランガイド東京・横浜・湘南2013」のセレクションを発表した。今回掲載される施設は合計350軒で、このうちレストランが286軒、ホテルが52軒、旅館が12軒となっており、12月1日より発売されるという。
10月に先だって発売された「ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈量2013」の掲載施設は合計362軒。このうちレストランが273軒、ホテルが46軒、旅館が43軒となっていた。
そもそもタイヤメーカーの仏ミシュランが1900年に発行したのがミシュランガイドの始まり。当時はまだ自動車の黎明期であったため、運転者向けのレストランやホテルのガイドが目的だったという。初版には、タイヤの使い方と修理方法、市街地図のほか、ガソリンスタンド、ホテルと自動車修理工場などの実用的な情報が満載されており、ドライバーに1920年まで無料で配布されていた。現在は地図、旅行ガイドを含めて毎年、全世界90ヶ国を超える国々で約1000万部を発行している。
日本は2007年に「ミシュランガイド東京2008」を刊行して以来、今回で6年目を迎えた。このガイドの特徴は、本社で研修を受けた調査員が匿名で店を予約し、他の利用者と同じく勘定を支払い、世界共通のミシュランガイドの基準で調査をするという点だ。6年目にも関わらず、今回も22軒もの店が新規掲載店として掲載されているが、新たに3つ星を獲得した店は無かったという。
星の評価の基準はミシュランガイドの対象国である他の22カ国と同じ。その理由は、世界中に散らばる調査員の5つの評価基準にある。具体的には素材の質、調理技術の高さと味付けの完成度、料理の独創性、コストパフォーマンス、常に安定した料理全体の一貫性。これによりミシュランの星は、世界中どこでも同じ意味を持つ。東京や大阪の1つ星のレストランは、パリまたはニューヨークの1つ星と同じ価値を持つというのだ。
また「ミシュランガイド 広島 2013 特別版」を来春発行することも発表している。新たなミシュランガイドの発行の地として、この地を選んだ理由としては広島が国内外から多くの観光客が訪れる国際色豊かな平和都市であることが大きい。南は瀬戸内海そして北は中国山脈を臨み、豊かな海から採れる海の幸と大自然が育む山の幸などに恵まれ、四季折々で違った味覚が楽しめることでも観光客を魅了している。この土地で新たな星を見つけるべく、調査員たちが2011年秋ごろから調査を実施しているという。
ミシェランガイドはその基準に曖昧さがあることから、発祥の地であるフランスでも批判的な声も一部ではあがっている。日本でも様々な観点から賛否があることは確かのようだ。例えば、ミシェランガイドで3つ星の店が、ネットの口コミサイトでは評価が今1つであったり、カテゴリーに偏りがあるなど、本当に公平な評価なのか、という疑問の声も聞かれる。しかし、不況の雑誌業界に在って、このガイド本は毎年、コンスタントな販売数を維持している。金額的にも、敷居も高い店が多いため、実際にこの本を見て訪れるか否かは定かではないが、ミシェランガイドに消費者が注目していることは確かなようだ。