高浜原発、大飯原発が同時事故、対応どうなる

2017年10月28日 06:44

 安倍晋三総理は27日開いた原子力防災会議で福井県にある関西電力大飯原発周辺の緊急時対応の確認結果を受け「国と地域が一体となって取りまとめた大飯地域の緊急時対応を了承した。国としても、関係自治体や事業者と一層緊密に連携し、実動部隊を含めた実際の訓練を通じ、緊急時対応を継続的に検証、改善していく」と語った。

 また「万が一、原発事故が起きて、災害になるような事態が生じた場合、国民の生命、身体や財産を守ることは政府の重大な責務。責任を持って対処する。自治体を最大限支援し、全力を尽くす」と述べた。

 しかし、東京電力福島第一原発事故による避難者は事故から6年半を過ぎた今も7万人を超える状況だ。原発のない社会を目指すべきとの世論と再稼働すべきとの世論は今も2分している。福島原発事故の現況からは「責任をもって対処する」「世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発のみ、地元の理解を得ながら再稼働を進める」という総理の発言にも「最も厳しいレベルかどうか」も含め、空虚さが漂っている。

 また、今回の緊急時対応では近くにある関電高浜原発との同時事故への対応をしていない。重大事故が起きるくらいの地震や津波に同時被災がないと言えるのか、単独事故のみを想定した避難計画自体、現実的ではないのではないか、議論が必要だ。(編集担当:森高龍二)