未だ消費は改善せず。家計調査第3四半期、実質消費支出0.5%減少

2017年11月24日 07:27

画・未だ消費は改善せず。家計調査第3四半期

14日、総務省は家計調査の7~9月平均の速報を公表。総世帯での1カ月平均の消費支出(除く住宅等)は実質で前年比0.5%の減少。勤労者世帯の1カ月平均収入は実質で前年比3%の増加。収入に改善の兆しも消費は回復せず。

 総務省は14日、「家計調査報告(家計収支編)平成29年(2017年)7~9月期平均速報」を公表した。

 報告書によれば17年7~9月期の総世帯での1世帯当たり1カ月平均の消費支出は236,637円で、前年同期比は名目では0.9%の増加、物価上昇分を除いた実質ベースでは0.1%の増加で、季節調整済みの前期比は0.9%の減少であった。単身世帯を除く二人以上の世帯では1世帯当たり1カ月平均の消費支出は276,106円で、前年同期比は名目で0.8%の増加、実質で0.0%、季節調整済み前期比は実質0.4%の減少であった。

 このうち住居等を除く1世帯当たりの1か月平均の消費支出は、総世帯で203,366円となり、前年同期比は名目で0.3%の増加、実質で0.5%の減少、季節調整済み前期比で0.4%の減少となった。二人以上の世帯では消費支出額が241,351円、前年同月比は名目で0.7%の増加、実質では0.1%の減少、季節調整済み前期比では実質0.1%の減少であった。総消費支出としては名目値、実質値ともに小幅ながら伸びを示しているが、最もコアな住宅等を除いた小売りレベルでの消費は前年比が実質レベルで0.5%の減少となっており、消費に本格的な回復傾向が見られるとは言えない。

 総世帯で消費支出の内訳をみると住居費が前年比で名目5.8%の増加、実質5.8%の増加と目立った値を示している。一方、前年比で大きく減少したのは教育費で、名目値で6.9%の減少、実質で7.3%の減少となっている。寄与度で最も大きいものは交通・通信費で寄与度0.58であり、前年比は名目4.2%の増加、実質で4.3%の増加となっている。

 勤労者世帯の1世帯当たりの1か月平均の実収入は総世帯で443,973円、前年同期比は名目で3.8%の増加、実質で3.0%の増加となっている。二人以上の世帯では実収入506,879円で、前年同期比は名目で2.8%の増加、実質で2.0%となっている。総世帯ベースで内訳をみると臨時収入・賞与が名目で10.0%、実質で9.1%と高い伸びを示している。

 勤労者世帯(総世帯ベース)の当期1カ月平均の消費支出は260,752円で、前年比が名目で0.8%の増加、実質で0.0%と横ばいである。消費支出の実収入に占める割合である平均消費性向は当期平均で72.0%、前年同期の73.9%から1.9ポイント減少している。

全体として消費支出も実収入もプラスの値を示しており、実収入に改善の兆しが見られるものの住宅等を除いた消費支出は実質ベースで未だマイナスを示しており消費が回復基調に転じたとは言えない状況である。(編集担当:久保田雄城)