慰安婦問題での2015年の日韓合意について、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「最終的かつ不可逆的解決」で合意したことに「両国間で公式に合意したことは否定できない」と国家間の公式合意であることを認めた。
公式合意である以上、大統領が交代しても、この合意は両国が誠実に履行することが当然に責務として発生する。
韓国政府は、慰安婦問題に関しては、公式な合意であることから「日本政府に再交渉はしない」としている。
一方で「真実から目をそらした場所に道をつくることはできない。真実と正義という原則に立ち戻る」と語り、韓国・聯合ニュースが伝えるところでは「日本と心が通じ合う真の友になることを望む。歴史問題と両国間の未来志向的な協力を切り離して努力していく」と、最終的・不可逆的解決で合意をみたにもかかわらず、歴史問題をカヤの外に置き、未来志向的な協力をしていくような不可解な発言をする。
日韓合意が最終的かつ不可逆的解決での合意であった以上、これを履行するのは韓国政府の責任と言わなければならない。蒸し返しとも受け取れる文大統領の発言には、国内世論に押され、落としどころに困ったトップ、国内統率力の弱さを感じる。ここは、内政を整えていただくほかないだろう。
安倍晋三総理が言う通り「日韓合意は国と国との約束であり、これを守ることは、国際的かつ普遍的な原則だ」。菅義偉官房長官が「日韓合意を1ミリたりとも動かす考えは全くない」と記者団に語ったが、それで良いのではないか。
一方で、安倍総理が、今回の問題で、韓国が要請している2月9日の「平昌冬季オリンピック開会式」への出席を見合わせる方針を固めたという報道が一部にある。事実なら、これは頂けない話だ。
22日に召集する国会との関係があるかもしれないが、韓国政府への慰安婦問題をめぐる抗議材料に「オリンピック開会式欠席」はオリンピックに政治問題を持ち込むことになりかねず、オリンピックの精神からしてもおかしい。
我が国選手団の為にも、慰安婦問題とは切り離して、出席されるべき。開会式への出席を最優先に日程を組まれても、多くの政治家、国民は理解するだろう。総理が出席されることを期待したい。(編集担当:森高龍二)