現在、日本の景気は回復局面にあるというものの、2017年の実質賃金はマイナスの0.2%で、この先消費税増税も予定されており、家計は決して楽になったとは言えない。各種調査からも18年も節約ムードであるとされている。このような状況下で、収入を少しでも増やそうと副業に関心を持つ人が増えているようだ。
人材サービス業のエン・ジャパンが自社運営のサイトを利用している1938人を対象に、昨年末から今年1月にかけて、「副業」についてのアンケート調査を実施した。
調査結果によれば、「副業をしている」と回答した者は15%、「過去に副業をしたことがある」と答えた者は37%で、両者を合わせると半数を超える52%が副業の経験があると答えている。「副業をしたことはないが興味はある」と答えた者は43%で、これを加えると95%の者が副業に興味を持っていることになる。
雇用形態別に見ると、正社員では「現在副業中」の者は8%のみで、「過去に副業経験あり」は33%、両者を合わせると41%と全体の平均より低い値となり、正社員よりも非正規の者で副業への関心が高いことがわかる。
副業経験者の高いものは、派遣社員で「現在副業中」が17%、「過去に副業経験あり」が40%で、合わせると57%が副業経験を持ち、次いでフリーランスでは「現在副業中」が19%、「過去に副業経験あり」が37%で、合計すると56%が副業の経験を持っている。
「現在副業中」と「過去に副業経験あり」と答えた者に「副業をした理由」を複数回答で尋ねたところ、「副収入が必要だから」が69%と圧倒的多数を占め、副業の目的が収入を増やすことであることがわかる。また、「副業をしたことはないが興味はある」と答えた者にその理由を複数回答で尋ねたところ、「副収入を得たいから」が75%と圧倒的多数で、次いで「貯金をしたいから」が54%と続き、こちらもやはり収入を増やし家計を楽にしたいというのが副業の目的であることがわかる。
この調査結果から、物価の上昇や消費税増税が控えているにもかかわらず、給与はなかなか伸びないという状況下で、節約ムードだけではなく、積極的に仕事を増やすことで収入を増加させて家計を楽にしようとしている傾向が読み取れる。(編集担当:久保田雄城)