気象庁の津波警報が被害を拡大させた

2012年02月03日 11:00

 小野寺五典議員(自民党、宮城6区選出)は2日の衆議院予算委員会で「津波警報の第一報で津波の高さは宮城が6メートル、岩手・福島は3メートルとした気象庁の津波警報が被害を拡大させた」と指摘。「沖合にあるGPS波浪計の数値(M8.4、津波高5.5メートル)から海岸は沖合の4倍から5倍の高さになるといわれている」として「気象庁はGPS波浪計の数値からどれだけ大きな津波が来るか分かっていたはず」と初期の対応を批判。同じような事案が起こらないようGPS波浪計の有効活用を強く求めた。

 羽鳥光彦気象庁長官は「実際(の津波)と大きな乖離があった。我々の技術力が及ばなかった」と謝罪。平野達男防災担当大臣は「GPSのデータをどのように解釈するか周知徹底していなかった」とし、「反省すべき点は多々ある。検証作業と対策の検討を行っており、気象庁も津波警報の出し方を大きく変えた」と今後もさらに改善していく考えを示した。気象庁を管轄する前田武志国土交通大臣も「(気象庁には)優れた専門家が集まっているが、指摘のことを踏まえて気象庁の責任を果たせるようにしたい」とした。(編集担当:福角忠夫)