自民の改憲推進本部、9条2項残し自衛隊明記へ

2018年03月24日 05:30

 自民党の憲法改正推進本部は22日の会合で、戦争放棄規定の憲法9条改正案について、戦力不保持・交戦権の否認を規定する「憲法9条2項」を残したうえで、憲法に「自衛隊」を明記する方針を決めた。

 憲法9条に新たに「9条の2」を設け「(2項は)必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織」として自衛隊を位置付ける方針。細田博之本部長は党大会後に最終の条文案を示すもよう。

 この日、取りまとめを細田本部長に一任することとなったが、9条2項を削除するべきとする石破茂元防衛大臣は「何が一任されたのかが分からないまま一任という、非常に自民党の意思決定の在り方としては、私の知る限り極めて異例なものだった」と不満を漏らしている。細田本部長は「一任されたが、少数意見もチャンと各党に伝えることになっている」と記者団に答えた。

 石破氏はブログで「理想は『第二項削除』だが、これでは国民の理解は得られない、との声も聞かれた。どうして最初からそのように決めつけてしまうのか。理想に少しでも近づけるべく努力するのが政治家の務めで、熱意と信念をもってその技量を高めるようにするのが本来だと私は信じる。今でも3割近い国民は理解を示しているのであって、これをあと2割高めることすら出来ないというのはどういうことなのでしょう」と、2項削除を提起しないことへの姿勢について疑問視していた。(編集担当:森高龍二)