立憲民主党の枝野幸男代表は31日の記者会見で、憲法改正での『緊急事態条項』書き込みについて「どんな緊急事態においても、現行憲法で、その自体に対応できるように今の憲法はできているというふうに考えている」と現行憲法で対応できているとの認識を示した。
また、枝野代表は「少なくとも人権を制約する新たな根拠をつくるという意味での緊急事態条項は許されるべきではない」と断じた。
枝野代表は「東日本大震災のとき、福島、宮城、岩手の県会議員選挙を延期したようなことが国会議員についても必要ではないかという議論がありますが。100%全否定はしませんが、現状で、どうしてもそれが必要である。なおかつ、他の制度との整合性を取った形で対応できる制度設計というのは、どなたからも提起されていないというふうに思っている」とも語った。
また、憲法9条2項(戦力不保持・交戦権の否認)を残して自衛隊を憲法に明記することで「フルスペックの集団的自衛権は使えなくなり、安保法制の新3要件に制限が掛かるのでは」との安倍晋三総理の理解の仕方について記者団に受け止めを聞かれ、枝野代表は「集団的自衛権の一部行使容認を追認するような9条の改悪にはわれわれは反対」と改めて反対を明確にした。
そのうえで枝野代表は「集団的自衛権の一部行使容認までは認められて、フルスペックは認められないような9条の変え方というのは不可能とは申し上げないが、技術的には相当難しいのは間違いない」と語った。
枝野代表は「普通に書いたらフルスペックに読める。フルスペックに読めないようにしようとすると、集団的自衛権の一部行使容認も読めないようになるはず」と語り、「どういう条文を想定されているのか。本当にそれで安倍さんの言っているような解釈の読み取りができるような条文になるのか、相当困難だと思う」と拡大解釈の余地をなくす条文(文言)の技術的な難しさを指摘した。
この日の会見では、このほか、森友学園への国有地売却をめぐる問題に関連して、前理財局長の佐川宣寿国税庁長官に対し、昨年の国会で理財局長として答弁していたことと、その後の資料等を踏まえ、枝野代表は「佐川氏には国会で説明するということは最低限やって頂かないといけない」とし、「どうしても国会に出てこないというのであれば、職を引かれるべきと改めて強く申し上げたい」と国会で説明しないのなら辞職するよう求めた。(編集担当:森高龍二)