国連のアントニオ・グテーレス事務総長が9日の長崎平和祈念式典で「あらゆる種類の兵器について緊急に軍縮を進める必要性がある」と呼びかけ、とりわけ「核兵器の軍縮はもっとも重要、緊急の課題。私たちみんなで、この長崎を核兵器による惨害で苦しんだ地球最後の場所にするよう決意しましょう」と核兵器が使用された最後の場所にしなければならない、とそのために努力していこうと訴えた。
事務総長は「悲しいことに、被爆から73年経った今も、私たちは核戦争の恐怖とともに生きている。日本を含め、何百万人もの人々が、想像もできない殺戮の恐怖の影の下で生きている」と訴えた。
また「核保有国は核兵器の近代化に巨額の資金をつぎ込んでいる。2017年には1兆7000億ドル以上のお金が武器や軍隊のために使われた。冷戦終了後、最高の水準になっている。世界中の人道援助に必要な金額の約80倍にあたる」と提起し「一方で、核軍縮プロセスが失速、ほぼ停止している」と現況を厳しく指摘した。
そして「核兵器完全廃絶は国連の軍縮優先課題」であり「核保有国には核軍縮をリードする特別の責任がある」と述べた。また「平和とは抽象的な概念ではなく、偶然に実現するものでもない。人々が日々具体的に感じるものであり、努力と連帯、思いやりや尊敬によって築かれるものだ」と長崎から世界へ訴えた。(編集担当:森高龍二)