2018年9月18日、アウディは米サンフランシスコで電動車「Audi e-tron」を世界初公開した。これを皮切りに、同社は電動化攻勢を開始する。2025年までに、アウディは世界の主要市場において、12車種の電気自動車を発売し、電動化モデルの販売台数を全体の約1/3にすることを目指す。電動化ラインアップにおけるSUVには、今回発表されたAudi e-tronと、2019年に発表するするAudi e-tron Sportbackが含まれ、アヴァント(ステーションワゴン)やセダンといった、従来型車型の一連のモデルも用意される。このラインアップには、コンパクトからフルサイズまで、あらゆるセグメントを網羅する計画だ。
アウディによると、Audi e-tronは、電動化戦略の出発点として、アウディ史におけるハイライトとなるクルマだという。アウディが全セグメントで電気自動車を供給するためには、合計4つのテクニカルなプラットフォームと製品群が必要で、開発部門とアウディが所属するフォルクスワーゲン(VW)グループの各ブランドが緊密に連携し、財務的な課題もクリアしながら、世界規模で相乗効果を発揮していかねばならないとしている。
今回のAudi e-tronと来年発表のAudi e-tron Sportbackは、アウディのモジュラー・プラットフォームのコンポーネントを使用する。このコンポーネントと、主に駆動システム分野における革新的な技術によって、電動quattro 4輪駆動を備えた独立した製品群を生み出し、最大150kWの急速充電と長距離ドライブに対応する。
アウディは、2018年末に別のプラットフォームを採用したコンセプトEV、Audi e-tron GT conceptを発表する予定で、極めてダイナミックなこのクーペは、ポルシェと協力して開発され、ロサンゼルスオートショーでデビューする。
アウディとポルシェの開発部門のもうひとつの共同プロジェクトが、プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(PPE)だ。これは、アウディ量販車B~Dセグメントをカバーする電気自動車のベースとなる。
ここでは、SUVおよび従来のセダンやアヴァントなどのボディタイプが計画される。PPEの強みは、電気自動車専用に開発され、重量軽減、合理的なパッケージング、およびボディのプロポーションに関してメリットがある。
VWグループの量販ブランドは、大量生産されるAセグメントにおいて、一連のアウディの電動化モデルの基盤となるモジュラー・エレクトリフィケーション・プラットフォーム(MEB)の開発に協力している。このうちのひとつは、最重要な市場、中国をターゲットに開発される。
電動車開発と同時にアウディは、プラグインハイブリッド車(PHV)のラインナップも大幅に拡大する予定だ。将来的には、すべての市場に向けて、電気モーターと内燃エンジンを組み合わせたPHVモデルが導入される予定だ。(編集担当:吉田恒)