経済の発展とは交通の発展でもある。グローバル化というものがインターネットという情報通信技術の発展・普及とともに格安の航空会社であるLCC(ロー・コスト・キャリア)などの運輸産業の発展に支えられていることは言うまでもない。日本国内は新幹線網等の鉄道網が整備され空輸への依存度は低いかもしれない。しかし、世界的にはLCCの登場は世界経済の地図を大きく変化させた。
2日、マーケティング業のマイボイスコムがLCC利用に関する事項も含む「航空会社の利用に関する調査」の結果を公表している。調査結果によれば、航空機の利用経験者は8割強で、「年1回以上」利用すると答えた者は3割程度となっている。
航空機を利用した目的を複数回答で答えてもらった結果では、「国内の旅行・観光」が67.8%、「海外の旅行・観光」が33.3%、「国内の仕事・商用」は19.6%の順となっている。航空機の利用は国内での利用目的が主なようだ。
LCCの認知度・利用経験等についてみると、LCCについて「利用経験あり」が17.2%、「知っているが利用したことはない」が66.6%、「知らない」が16.2%となっており、3分の2の者が認知はしているが利用していない。利用経験者の割合については2012年調査の4.3%から15年調査の11.5%、今回の17.2%と増加傾向にはある。
LCCの今後の利用意向については、「ぜひ利用したい」が10.1%、「まあ利用したい」が23.4%で、両者を合わせると33.5%、「どちらとも言えない」が36.7%、「あまり利用したくない」16.3%、「まったく利用したくない」13.0%、「無回答」0.5%という割合であった。「利用したい」の合計は前回、前々回の調査と比べても大きな伸びはなく横ばいであるが、10~30代で5割近く、LCC経験者では7割と若い世代やリピーターでは高い傾向になっている。
自由回答欄でLCCへの不満をみると、「早期の購入チケットは格安だがキャンセル料が高い、また変更ができない」(男性66歳)、「待ち時間が長い。チェックイン、手荷物検査などに不満」(女性58歳)、「LCCは格安をうたっているが、荷物の数、座席選択等の条件をもろもろ積み重ねるとそれほど安くなかったりする」(女性59歳)などの意見がみられた。
やはり、日本では時間に正確な鉄道網が発展しており、空路への依存度が高くないため利用頻度が少なく、価格よりも利便性やサービスを選考する傾向が強いのかも知れない。(編集担当:久保田雄城)