格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションが2017年3月期決算を発表。営業利益・経常利益・当期純利益のいずれも黒字化を維持し、4期連続の増収増益を達成した。
同社の17年3月期の業績は売上高517億円(前年同期比+7.8%)、営業利益63億円(同+1.9%)、経常利益53億円(同+13.1%)、当期純利益49億円(同+80.1%)というもので、増収増益を達成。
また平均搭乗率は85.4%(有償ベース)、有償旅客者数は約513万人であり、平均搭乗率は高水準の維持がなされており、事業は順調に推移している。
昨年日本のLCCとして初就航となった関西・羽田-上海線が、訪日外国人観光客の増加を背景に好調に推移し、業績を押し上げている。また航空会社最大の経営上の変動要因である為替も、昨年はアメリカ大統領選挙でトランプ氏が当選の11月までは円高で推移した結果、燃料費や資材費等が下がりコスト削減効果が生じたことも、4期連続の増収増益に繋がっている。
主に国内向けLCCとして設立・発展してきたピーチ・アビエーションであるが、前期より関西・羽田-上海線及び那覇-バンコク線を就航させることで、LCC利用ニーズが非常に高い訪日外国人観光客の取り込み開始がなされている。また当期も9月に仙台空港を拠点として札幌線及び台北線の運航開始を予定する等、成長に向けた布石も打っており、今後も継続的な成長を目指している。
LCCは海外勢の活躍が著しいが、国内LCCの草分け的存在のピーチ・アビエーションも4期連続の黒字化がなされ、また海外展開も開始され、日系LCCとして地位を確立しつつある。更に同社は今後も成長著しいアジアの需要を開拓することで、インバウンド需要の更なる取り込みも図るとしている。
海外LCCに比べると、まだピーチ・アビエーションも小柄な会社であるが、今後更なる海外観光客の取り込み等により、日本だけでなく世界を代表するLCCに飛躍することを期待したい。(編集担当:久保田雄城)