25年に市場規模4兆240億円?進化するスマートホーム。便利さと安全を守る最新技術

2018年11月11日 11:40

ローム1108

OHGA SMARTTHINGS社は、ロームとNextDrive社と共同で業界初のWi-SUN通信対応スマートドアロック「OHGA Smart Lock」を開発。IoTゲートウェイとWi-SUN通信で連動する次世代のホームセキュリティを提供する。

富士キメラ総研が10月26日に発表した「スマートホーム市場総調査 2018」によると、スマートホーム関連の国内市場は、2018年に前年度比4.8%増となる3兆936億円が見込まれており、25年には4兆240億円の市場規模に拡大すると予測している。

「スマートホーム」とひと口に言っても、それを構築する要素は多岐にわたる。今回の富士キメラ総研の調査でもその対象は「プラットフォームサービス」に始まり「個別サービス」「スマートコアデバイス」「スマートルーム」「スマートキッチン/サニタリー」「スマートウェルネス」「スマートセキュリティ」および「技術/プラットフォーム」の8カテゴリー、45品目にも及んだ。

 では、実際にスマートホーム関連で注目すべき市場は何だろうか。スマートホーム先進国のアメリカで、市場を牽引していると思われる32歳以下の若年層に人気があるのは、ロボット掃除機などの利便性が高い製品や、Amazon-EchoやGoogle Homeなどの音声操作が利用できる製品だ。日本の市場でも、音声入力デバイスや音声アシスタント機能を搭載した製品への関心は高く、2017年後半から、対応製品が急増している。

 スマートホーム対応照明も人気カテゴリーの一つだ。音声やスマホからの操作で電球やライトをオン/オフできるだけでなく、ソニーの「Multifunction Light」のように様々なセンサーやネットワーク通信技術を搭載し、テレビやエアコンなどの家電の操作や、各種セキュリティシステムなどと連携するような製品も登場している。

 セキュリティシステムでは、11月1日に台湾のOHGA SMARTTHINGS社が業界初のWi-SUN通信対応スマートドアロック「OHGA Smart Lock」を発表した。「OHGA Smart Lock」は、日本の電子部品大手ローム製のWi-SUNモジュール「BP35C0」を搭載し、台湾のNextDrive社製のIoTゲートウェイ「Cube」とWi-SUN通信で連動する。Wi-SUN通信は、無線LAN(Wi-Fi)と比較して低消費電力で通信距離が長いという利点から、家庭用スマートメーターなどで採用が進んでいる通信方法だ。スマートドアロックとして、Wi-SUN通信に対応したことで、堅牢性と利便性を兼ね備えた次世代のスマートホームセキュリティーを提供するという。

 「OHGA Smart Lock」は「スマートフォン」「非接触型ICカード」「鍵」の3種での施解錠手段を採用しており、最大10台のスマホと32組までの非接触ICカードを登録することができる。もちろんスマホとの通信はAES128で暗号化されている。また「Cube」は、「OHGA Smart Lock」だけでなく、家庭内のスマートメーターに接続してエネルギーの管理や可視化を行なったり、モーションセンサーや温湿度センサー、USBカメラなどの専用周辺アクセサリと組み合わせたりすることで、簡単にスマートホームセキュリティーを構築することもできる。

 音声やスマホ一つで、家中の家電設備やセキュリティの操作が自由自在に行えることは、少子高齢化社会にとっても必要とされる技術だ。便利さと安全性、安心を兼ね備えたスマートホーム技術の更なる発展を期待したい。(編集担当:藤原伊織)