年下上司と女性上司 実力主義への変化の影響

2019年01月30日 06:45

画・年下上司と女上司 実力主義への変化の影響

エン・ジャパンがミドル世代を対象に「年下上司・女性上司」に関するアンケートを行った。8割のミドルが年下・女性上司を経験したことがあると回答。

 年下の人間は年上の人間に従うものであり、女は男の後ろを歩くべきである。こういった一昔前の価値観はすでに現代では通用しない。若くても自分自身の能力を発揮させて活躍している人は少なくないだろう。男性よりも優れた指導力を持つ女性は数えきれないほど存在している。年下だから、女性だからと言う理由のみで相手を軽んじるような発言をすれば、その人自身が周囲から非難されてしまうのが今の時代の傾向だ。

 ミドル世代向けの転職サイトである「ミドルの転職」はエン・ジャパンによって運営されている。35歳以上のサイト利用者を対象にして行われたアンケート結果では、「年下上司・女性上司」の実態と、それに関する意識が見えてきた。

 この調査によると、8割の人は上司が自分よりも年下、あるいは女性だった経験を持っている。このうち、上司とのスムーズな関係性を築けたかどうかという質問に対しては、人によるとの回答が最も多い52%にも及んだ。スムーズにいくと答えた人の理由としては、相手を年齢や性別で判断しないためとの回答が目立った。たとえ自分より若い相手であっても、相手の性別が女性であっても、きちんとした実力があればそれを認めてついて行こうとする意識が窺える。

 ただし中には年下上司や女性上司との関係性が上手く築きにくいと感じている人も存在している。その理由として挙げられたのは上司の力不足であり、これが29%にものぼった。いくら優れた能力を持っていたとしても、多くの経験を積まなければ補いきれない部分も仕事によっては出てくる。いざと言うときに臨機応変な対応ができるのは、あらゆる経験を積んできた人ならではの手腕となるだろう。そのため経験豊富な部下と、新たな発想を持った若い上司がお互いに協力できれば、実力重視型の企業は更なる発展を遂げるのかもしれない。

 同アンケートの対象者のうち9割については、上司が年下や女性であるケースが今後さらに増えると想定している。年齢や性別で相手を見下すことは今の時代に適さない。相手の優れた能力は素直に認め、足りない部分は年配者の経験で補っていくことにより、実力さえあれば誰もが活躍できる社会を実現できる可能性があるだろう。(編集担当:久保田雄城)