賃金構造統計不正、総務省行政評価局が調査に

2019年02月07日 07:18

 賃金構造基本統計調査の不正問題について、菅義偉官房長官は6日の記者会見で「事案の具体的な経緯、原因等について、担当府省と異なる立場から行政機関の業務の評価・監視を実施している『総務省行政評価局』で調査させる」と発表した。

 菅官房長官は「調査実施に当たり、根本匠厚生労働大臣から厚生労働省職員に対して、総務省への調査の全面的協力を指示する予定だと承知している」と述べた。

 菅官房長官は「毎月勤労統計調査の不正については統計数値に影響を与えることなどから外部の専門家による特別監察委員会で厳正な調査を現在、進めてもらっている。一方、賃金構造基本統計については行政機関としての基本的な姿勢によるという大きな問題がある」とより大きな問題だとの認識を示し「行政にメスを入れるという趣旨から行政機関の業務の評価・監視を実施している『総務省行政評価局』に担当させることにした」と述べた。

 賃金構造統計調査では賃金の実態を把握するため、調査員が事業所を訪ね、従業員の賃金や勤続年数、就業形態、学歴などを調査することになっているが、実際には、ほぼすべての事業所に対して郵送での調査をしていたほか、バーやキャバレー、ナイトクラブを調査対象から外していた。また、こうした事実を隠ぺいしていた。

 一方、毎月勤労統計調査の不正に関して特別監察委員会の調査については不信感がぬぐえないままになっている。立憲民主党の逢坂誠二衆院議員は国会で「今の特別監察委員会メンバー、監察チームから引き続きだ」と指摘。「メンバーを増やしたのは報告書を作る1日前に統計の専門家を2人増やしただけで、監察チーム内部組織と全く同じ形。自立性・独立性が担保できるわけがない」と強く疑問を提起した。こちらも総務省で行うべきだろう。(編集担当:森高龍二)