立憲民主党の西村智奈美衆院議員は5日の衆院予算委員会で質問冒頭に大西康之厚労省前政策統括官(現・大臣官房付)の招致などが与党の反対でできていないことを取り上げ、野田聖子委員長に対し「これでは毎月勤労統計の不正問題の解明はできない」と訴え「委員長からも議員が要求している参考人について積極的な出席を図っていただきたい」と強く要請した。
野田委員長は「参考人招致については後刻、理事会で協議する」と通り一編の回答をするのみだった。
西村議員は「今日の審議でも参考人を何人か要求していた。大西康之厚労省前政策統括官(現・大臣官房付)や北村行伸統計委員会委員長代理には未だ来ていただいていない。こういう状況では真相を明らかにすることができない。野田聖子委員長も真相を解明しようとする意図がないのではないか、と見ざるを得ない。是非、強く、委員長として采配を振るっていただきたい」と強く求めた。
また、大西康之氏の官房付への異動について「口封じをしたとみられても仕方ない(状況だ)」と指摘したうえで「真相解明のために大西前政策統括官の招致から、なぜ、逃げるのか」と追及。根本匠厚労大臣は「隠すつもりは毛頭ない」と突如、今月1日付で異動発令した行為と全く矛盾する答弁を行った。そのうえで、与党側が拒否しているのを知りながら「大西前政策統括官を国会に参考人として呼ぶのかどうかは国会で決めて頂きたい」と逃げの答弁を続けている。
また、野党が試算した共通事業所系列での比較で、物価変動の影響を除いた算出で、昨年1月~11月までの実質賃金が前年に比べ『0.5%マイナス』になったことについて、根本厚労大臣は「名目賃金を消費者物価指数で機械的に割り戻すとすれば、その限りにおいては(西村議員の)言われた通りだと思う」と実質賃金がマイナスだと認めた。
この答弁を受けて西村議員は「この状況で10月に消費税を引き上げられるのか」と追及。安倍晋三総理は「総雇用者所得は名目も実質もプラスになっている」と詭弁で逃げた。(編集担当:森高龍二)