原発動かさなければならない 経団連会長

2019年02月28日 09:07

 日本経済団体連合会の中西宏明会長は今月の定例記者会見で改めて「原子力のテクノロジーを維持・発展させることが必要」との考えを強調した。

 中西会長は「日本のエネルギーを巡る現状に強い危機感を抱いている」と述べ、「東電福島第一原発事故から8年経過してなお、日本の火力発電の比率は約80%になっている。先進国にこのような電源構成の国はなく、事故後3年くらいの間は国際社会にも『あれだけの大事故があったのだから仕方ない』という同情論があったが、今や『日本は質の高いインフラ整備を推進すると言いながら、化石燃料ばかり燃やしている』という批判的な見方が主流だ」と提起。

 中西会長は「エネルギー基本計画において、化石燃料由来の電力を半分程度にする目標を立てているが、この実現は極めて困難な状況にある。再エネを増やそうにもグリッドやコストといった大きな課題に直面し、新しい設備・技術への投資が進まない。新しい電力のあり方について議論は重ねられているものの、現場での技術開発・設備投資はずっとなされていない」とし「原発推進、原発反対といった個別の論点ではなく、国の根幹であるエネルギー問題全体について議論する仕掛けが求められている」とした。

 そして「ゼロエミッションの電力を現実的に増やしていくためには、原子力を動かさなければならない」との持論を展開した。(編集担当:森高龍二)