ポルシェ、市販車ベースとした公道走行不可のレース専用「718ケイマン」発売

2019年04月08日 06:35

Porsche 718 Cayman

ポルシェのヴァイザッハ研究開発センターがつくりあげた生粋のレーシングカー、サーキット専用車両「ニュー718ケイマンGT4クラブスポーツ」

 ポルシェ・ジャパンは、初代ケイマンGT4クラブスポーツの後継モデルとなる新しいサーキット専用車両「ニュー718ケイマンGT4クラブスポーツ」を発売する。

 718ケイマンGT4クラブスポーツはポルシェのヴァイザッハ研究開発センターがつくりあげた生粋のレーシングカーだ。公道走行が不可能なミッドシップエンジンレーシングカーは、ポルシェジャパンが主催するポルシェスプリントチャレンジジャパン(PSCJ)への参戦を前提とした「コンペティション」モデルだ。FIA GT4カテゴリーなどに参戦するための「FIA GT4モデル」の2バージョンを用意する。

 ニュー718ケイマンGT4クラブスポーツ大きな特徴は、持続可能な素材使用にある。より高いドライバビリティーだけでなく、天然繊維コンポジット製のボディパーツを採用した初のプロダクションレーシングカーとなった。運転席および助手席ドア、リアウイングは、主に亜麻や麻の繊維などの農業副産物から供給される有機繊維の混合物でつくられ、重量と剛性に関してカーボンファイバーと同等の特性を備える。

 搭載する3.8リッター水平対向6気筒エンジンは、先代モデルを40ps上回る最高出力313kW(425ps)を発生。6速ポルシェデュアルクラッチトランスミッションと機械式リアディファレンシャルロックを介して後輪に伝えられる。

 フロントサスは、911 GT3カップから採用されている軽量なマクファーソン式。レーシングブレーキシステムは、直径380mmのスチール製ブレーキディスクを装着する。

 室内の強固なロールケージ、レーシングバケットシート、6点式シートベルトを備えた車両重量は、非常に軽量な1320kgに抑えられている。

 同車はレースに必要な多数のディテールを装備する。ショックアブソーバーは3段階調整式。安全燃料タンク容量は115リッターで長距離レースにも対応する。ブレーキバランスシステムによって、前後の車軸間のバランスバイアスを無限に調整することが可能だ。また、統合エアジャッキシステムは迅速なピット作業にとって大きなメリットとなる。911 GT3 R由来のクイックリリース・ステアリングホイールは、ドライバーのニーズに合わせてさまざまな調整を選択することが可能だ。サーキット走行に対応した安全装備として自動消火システムが装備となる。

 なお、日本国内における718ケイマンGT4クラブスポーツコンペティションモデルの購入者には、ポルシェスプリントチャレンジジャパンへのエントリーが義務付けられている。今季のPSCJ参戦は、6月16比の第5戦(富士スピードウェイ)からとなる。

 価格は718ケイマンGT4クラブスポーツコンペティションが2361.96万円。718ケイマンGT4クラブスポーツGT4が2714.04万円。(編集担当:吉田恒)