稀少で貴重なトヨタ製FRスポーティセダン「マークX」、その歴史に幕を下ろす

2019年04月26日 06:33

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マークXにとって最終型の特別仕様車250S“FinalEditio。外板色はプレシャスブラックパール

 トヨタは同社中核セダンの「マークX」の生産を今年12月で中止すると発表した。同時に最終モデルとしてマークXの特別仕様車 250S“Final Edition”ならびに250S Four“Final Edition”を設定し、4月24日に発売した。

 マークXは、1968年に前身モデルであるコロナ・マークⅡとして登場以来、50年以上にわたりトヨタのミッドサイズサルーンとして同社セダンのラインアップ中核を形成してきたが、今回モデルチェンジをすることなく生産終了となる。

 当初ファミリーカーとしてヒット作となったコロナ・マークⅡは、時代の変化を敏感に察知し、容姿を進化・変容させながら同社FRセダンの中心的存在だった。そして、バブル期には、ブームとなったハイソカーの牽引車として市場をリードした。2004年にマークXに改名。以降、「美しく」そして「意のままの走り」ができるスポーティセダンとして、その名を刻み続けてきた。が、遂にその歴史に幕を閉じようとしている。

 最後にリリースとなる特別仕様車の外装は、スパッタリング塗装の18インチアルミホイール+235/45R18タイヤを特別装備(2WD)するとともに、ダークメッキのフロントバンパーモールを採用し、洗練された上質感を創出。外板色には、ホワイトパールクリスタルシャイン、シルバーメタリック、プレシャスブラックパールの全3色を設定した。

 ボディサイズは全長×全幅×全高4770×1795×1435-1440mm、ホイールベースは2880mmと比較的大柄ながら、最小回転半径5.2m(FR車)と取り回し性の良さが特徴だ。

 搭載するパワーユニットは2.5リッターV型6気筒DOHCで、最高出力&最大トルクは203ps(194kW)、24.8kg.m(243Nm)を発揮する、スムーズなレスポンスが自慢にエンジンだ。

 内装には、ブラックとレッドを配色したアルカンターラ+合成皮革シート表皮と、レッドを配色したソフトレザードアトリム表皮を採用。さらに、本革巻き4本スポークステアリングホイール、シフトブーツ、インサイドドアグリップ、フロントコンソールボックスなどの随所にレッドステッチを施すことで、スポーティな印象を際立たせた。

 また、駐車時の接触や衝突の回避に貢献する「クリアランスソナー&バックソナー」を標準装備し、デザインだけでなく安全性能の充実を図った仕様としている。

 最終モデルの特別仕様車、価格はFRモデルが333.18万円、4WDモデルが348.948万円。マークⅡから11代続いたマークXの生産中止で、トヨタ・ブランドのFRセダンはクラウンだけとなる。(編集担当:吉田恒)