プジョー・シトロエン・グループ(Groupe PSA)傘下の独オペル(OPEL)は、同社初のプラグインハイブリッド車(PHEV)である「Grandland X Hybrid4」を発表した。オペル・ブランドの旗艦SUVとなる新型の登場だ。この新しい4輪駆動PHEVの納車は2020年からスタートする。
搭載されるパワートレーンは、最高出力が147kWの1.6リッター直噴ガソリンターボエンジンと、合計出力が80kWのふたつのモーター。システム統合出力は221kWと発表されている。モーターのうちひとつはフロントで8速AT変速機に接続し、エンジンをアシストして前輪を駆動する。もうひとつのモーターはリヤアクスルに積まれ4輪駆動時に後輪を駆動する。
後席下に搭載したリチウムイオン電池は容量が13.2kWh、WLTPモードで航続距離50kmまでEV走行できる。ドイツでは日常使用の80%が50km未満であり、新型「Grandland X Hybrid 4」のユーザーは、ほとんどゼロエミッションで走行すると試算する。正式な数値ではないが、オペルでは45.5km/リッターの好燃費を達成したという。
Grandland X Hybrid4は、「EV」「ハイブリッド」「AWD」「スポーツ」の4つの走行モードを備えており、運転状況に応じて選択できる。ハイブリッドモードで市街地走行をするとゼロエミッション走行するために、最も効率的な駆動方法を自動的に選ぶ。もちろん回生ブレーキシステムを搭載し、最大のエネルギー回生を行う「Regeneration on Demand」にすると、モーターの抵抗で制動力が得られるため、通常走行でブレーキペダルを踏む必要がない1ペダル走行が可能になるという。
同車はPSAグループが提供するモビリティーサービス「Free2Move」を利用して公共充電ポイントの検索やルート検索、充電の支払いが可能だ。また、インフォテインメントシステム「Navi 5.0 IntelliLink」でネット接続することで最適ルートを案内できる。新しいテレマティクスサービス「Opel Connect」では、リアルタイムの交通情報、緊急通報、アプリによる車両データチェックなどが利用可能。
オペルは2024年までに全モデルに電動車を設定することを目標としており、20カ月以内にBセグメントの小型車「コルサ」やコンパクトミニバン「ザフィーラ」などのEVモデルを発売する予定だ。(編集担当:吉田恒)