日本企業が行う海外支援やボランティア活動

2011年12月26日 11:00

 近年、日本企業による海外の支援やボランティア活動が活発化している。その内容は様々だが、森林資源を直接的に利用する製紙会社などは、かねてから業界を挙げて海外での植林活動を実施している。

 日本製紙連合会に属する企業がこれまでに植林してきた面積は国内外合わせて約69万ha。2012年度には70万haまで拡大していく予定だという。同連合会の植林事業は1970年代に始まったが、特に1990年代からは活発化。今では9カ国で36ものプロジェクトが進行しているという。

 他にも森林保護を積極的に実施している企業がある。山田養蜂場は、自然環境保護活動、開発途上国に対する自立支援活動の一環として、1999年からネパールで植樹活動を毎年展開。1998年3月、ネパールのカトマンズで開催された第4回アジア養蜂研究協会大会に同社の代表である山田氏が出席した時、ネパールの人々の生活や自然環境の実情を視察し、自分たちのできる範囲での協力ができないかと考えたことがきっかけとなりこの活動が開始された。「通信販売を継続していく上で、紙の消費は避けられず、植林活動は当然なすべき使命であると思っています。この植樹計画をスタートさせた当初、当社の紙の年間使用量を計算したところ年間概算で1500トンくらい使用していると換算し、年間3000本以上の木を毎年植えていく必要があると考えました」と山田養蜂場の担当者は語る。

 2011年度は、カトマンズ近郊のラヤレ村、チャパカルカ村の村人たちが中心となり、建材や燃料となるハンノキやマツ、成長すると実を販売できるラプシやクリ、カキの類などに加えて、デピラナモチノキ(プンヤレ)やネパールトネリコ(ラクリ)など、もともとネパールに自生していた木を、合わせて50,530本植樹。ネパールでの植樹活動は今年で13年目を迎え、これまでの植樹本数は38万本を超えたという。

 また、日本パレットレンタルは、1999年より東南アジアにて植樹活動を継続。植樹場所は現地の村役場や学校を中心に行っており、植樹活動によって、環境保全に貢献することはもちろん、共同作業を通じて、現地の大勢の生徒との交流も図っている。さらイオンはベトナムやカンボジアをはじめ、アジアを中心とした「イオン ふるさとの森づくり」と(公財)イオン環境財団による植樹活動の累計植樹本数が、2010年2月28日現在で9,229,303本となった。2012年度には植樹活動の累計植樹本数を1,100,000本にするという目標を立てている。

 環境問題がクローズアップされるとともに、各企業のCSR(企業の社会的責任)に対する意識が浸透している。テレビコマーシャルなどでも自社製品のアピールではなく、企業による環境への取り組みなどを全面にアピールしたものが増えているのもその現れだろう。今後はこうした支援活動が日本の企業価値を高めるファクターとなると考えられる。