ヤマハ発の社員がボランティア活動として短大で派遣講師を実施

2011年12月26日 11:00

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ヤマハ発動機の二輪車事業のサービス部門に所属する伊藤厚生氏は現在、岐阜県高山市にある高山自動車短期大学の自動車工学科で、派遣講師としてボランティアで「二輪特論」という講義を毎週1回行っている。

 現在、各企業は様々な形でボランティアを行い、また、社員のボランティア意欲をバックアップしている。なかでもヤマハ発動機は、自身が好きなことや得意なこと、また業務を通じて培った能力などを活かして、ボランティア活動に取り組む社員が多いのが少なくない。

 そうした社員の一人、二輪車事業のサービス部門に所属する伊藤厚生氏は現在、岐阜県高山市にある高山自動車短期大学の自動車工学科で、派遣講師として「二輪特論」という講義を毎週1回行っている。伊藤氏がボランティアで派遣講師をするまでは、同校の二輪整備コースは四輪担当の教員による指導が行われていた。しかし、より専門知識の豊富な方を講師に迎えたいという意向があり、同社入社前の約6年間、同校で教員経験のある伊藤氏に白羽の矢がたった。活動はあくまでボランティアのため、講義日を有給休暇としたうえで、前日の就業後に高山へ向かう。当日午前中に準備、午後に講義が終了すると、静岡県の自宅へ戻るというスケジュールをこなしている。

 学生に対し「二輪に興味を持って欲しいという想いのもと、二輪の楽しさ、モノ創りの面白さ、社会の厳しさなどを、自身の経験を交えながら講義しています」と伊藤氏。オートバイ好きのヤマハマンらしく、学生自身が所有するオートバイを整備・カスタマイズ することを講義に取り入れている。「自分自身や友人のオートバイを直接扱うというリアルさが受けているのか、学校側が準備した教材で行うときとは学生の目の輝きが違う」と語る。

 また、講義後は帰路につくまでの時間にオートバイの乗り方指導を行うなど、より二輪を楽しく身近に感じてもらうための「補習」授業も実施。「今の学生はオートバイやクルマを運転することが好きな一方で、機械いじりや油まみれになることは苦手ですね。それになんとなく目標を持っているものの、目標に対して貪欲に突き進むということにおいて消極的で物足りなさを感じます。しかし講義を通して学生と交流する中で、おとなしい学生が二輪の知識について自信をつけていく姿を見ると、勇気をもらうこともあります」ときっぱり。また、若い学生とのコミュニケーションが、同社で本業の二輪販売店の若いメカニックの方への技術指導においても役立っているという。

 伊藤氏は今後も「多くの人に二輪に乗る楽しみを知ってもらうこと、また安全に乗るために正しい知識を身につけて欲しい」という想いを胸に、ボランティア講師を続けていく。