トヨタ燃料電池バス、ITS機能の活用により安全性、輸送力、速達・定時性を向上

2019年08月08日 06:47

Toyota FC BUS SORA

トヨタ燃料電池バス「SORA」、新しい安全運行システムなどを搭載した新モデル発表。車イスやベビーカーを利用する乗客の乗降性を向上させる自動正着制御システムをオプションで用意したモデル

 トヨタ自動車は、ITS機能の活用により、燃料電池バス(FCバス)「SORA」の安全性、輸送力ならびに速達・定時性を向上させたモデルを販売開始した。

 路線バスに使用するSORAは、稼働率も高く、高い安全性が求められることから、今回新たに、交差点の右折時に、ドライバーへの注意喚起を促す機能や、ドライバーに急病などの異常が発生した際に、乗客が非常停止させられるシステムなどを搭載した。

 また、公共交通手段として重要である輸送力の向上と速達・定時性の両立を目指し、バスが連続して走行する際に、車両間の情報を相互に共有し、信号やバス停での分断を防ぐ機能を搭載しているのも特徴だ。

 今回の改良で追加した機能は、まず「ITS Connect路車間通信システム」(DSSS/Driving Safety Support Systems)で、路側装置と車両の通信により取得した、対向車・歩行者情報、信号情報などを活用し、ドライバーに注意喚起を促す機能だ。

 「右折時注意喚起」機能は、交差点での右折時に、対向直進車や右折先の歩行者を見落としている可能性がある場合に注意喚起する。

 「赤信号注意喚起」機能は、赤信号の交差点に近づいてもアクセルペダルを踏み続け、赤信号を見落としている可能性がある場合に注意喚起を行う。

 「赤信号減速支援」は、前方の交差点にて、赤信号で停止することが予測される場合、早めの減速を推奨する。

 「信号待ち発進準備案内」は、発進の遅れを回避できるよう、赤信号の待ち時間目安を表示する。

 加えて、ドライバーに急病などの異常が発生した際、ドライバー本人あるいは乗客が非常ブレーキスイッチを押すことで減速して停止。立ち乗り・着席中、双方の乗客安全性に配慮し、路線バスに適した制御となっている。また、減速開始と同時に、車内の乗客には、赤色フラッシャーランプと音声アナウンスで非常時であることを伝達し、車外や周囲には、ホーンとストップランプ、ハザードランプの点滅で異常を知らせる。

 また、車両前方に搭載されたミリ波レーダーが、進路上の先行車や障害物との衝突の危険性を検出した場合、ドライバーに警報ブザー及びモニター画面で警告。路線バスでは、立ち乗り乗客やシートベルトを締めていない乗客の安全性を踏まえ、ドライバーの運転操作による衝突回避を支援する。

 車群を構成する車両、順序、車群長等の情報から、信号やバス停での車群の分断を防ぎ、輸送力の向上と速達・定時性の両立を支援する「ITS Connect 車群情報提供サービス」は、円滑な加減速を支援する全車速レーダークルーズコントロールを搭載。さらに先行車が通信利用型レーダークルーズコントロール対応車であれば、車・車間通信により取得した先行車の加減速情報に素早く反応し、スムーズな追従を可能にする。バス専用道での車群走行時の車間距離の保持、後続車の速度安定に貢献するという。

 今回新搭載した機能のうち、ドライバー異常時対応システム、衝突警報、自動正着制御、路車間通信サービス、通信利用型レーダークルーズコントロールは、日野自動車、いすゞ自動車が共同開発。車群情報提供サービス、電波型PTPS(車群対応機能付)は、日野、いすゞ、トヨタの3社で共同開発したという。なお、ドライバー異常時対応システムは、国土交通省策定技術指針に準拠している。

 また、路面の誘導線をカメラが検知し、自動操舵と自動減速により、乗降場の所定位置にバス停から隙間を開けずに停車させ、車イスやベビーカーを利用する乗客の乗降性を向上させる自動正着制御システムをオプションで用意した。(編集担当:吉田恒)